昨日の「教訓」と今後の「日経平均のあるべき位置」。
(午前0時半の更新です)
昨日、日本市場は突然に仕掛けられました。
北朝鮮から米国に対する無礼な「威嚇」に対し、
トランプ大統領がいつもの調子でツイートしたことで、
突如として「地政学リスク」が台頭したためです。
為替(円買い)と連動して日本株が売られ、
参加者不在で板が薄くなっているぶん、
想像以上の値幅で下げてしまいました。
内閣改造で瞬間的に政権が浮揚したのはいいですが、
なかなか肝心の「玉」の内容が出てこない上に、
政権内の不協和音もちらほら聞かれます。
上昇への「期待」が高まらないようであれば、
「2万円ライン」がどこまで堅いのか、
また、政府がどれだけ本気で死守してくるのか、
試してみたい誘惑にかられるのも理解できます。
昨日のブログ記事でも少し触れたことですし、
例年、この時期になると指摘することですが、
こういう時に「突発的な何か」があれば、
思ってもみないほど値が動くものです。
その意味では昨日の急落劇は、
この時期によくありがちな仕掛けとはいえます。
また、昨日は公的資金による「防衛出動」に、
機敏な動きがみられなかったこともあります。
日本政府が投資家の都合を考えた上で、
防衛出動をするとは限らないということは、
前号メルマガ(第172号:8月6日)で述べた通り。
「政府は100円以上は下げさせないよ」といった、
投資家本位の目線がいつも成功するとは限りません。
多くの投資家、特に初心者の方々にとっては、
いろいろと教訓の残る一日だったのではないでしょうか。
もっとも。
現時点では、その「突発的な何か」というのは、
具体的な形で発生したわけでもありません。
北朝鮮による「火の海」発言ならこの何十年に何百回も、
「口先だけ」で行われてきたものですし、
トランプ氏の「ツイッター砲」というのも、
ほぼ全てが「口先だけ」というのも周知の事実です。
日本政府はこの一連の米朝の応酬について、
特段の異変を感じ取ってはいないようであり、
万一を想定してNSC(国家安全保障会議)などが、
開かれたという話も聞いてはいません。
また、米軍にも自衛隊にも変わった動きを聞きません。
実際、昨日は「19600円台」で切り返していますが、
双方とも「口先だけ」の話という認識が広がれば、
為替も株も元に戻っていくだろうと思われます。
ただし。
すこーし気になる要素もあります。
ひとつは北朝鮮の「妙な強気」さです。
トランプ大統領の脳内は知りませんが、
米国の「玄人」達は衝突を回避するために、
様々なシグナルを送っているところです。
ここ最近のメルマガで詳しく書いていますが、
米国から送られているシグナルの中には、
「核保有の容認」を示唆するものまであります。
しかし、北朝鮮側はそれらを全て無視する形で、
挑発のレベルをエスカレートさせています。
うまくやれば「握り」が成立する可能性もあるのに、
それでもなお相手の顔を潰し、殴りつけるのは、
正常な神経の持ち主とは思えないものがあります。
第1次世界大戦というのは、
恐怖と錯誤、誤解と行き違いの積み重ねの結果として、
最初から最後まで誰も望んでいないにもかかわらず、
あれだけの大災厄に発展してしまいました。
米国側がいかに冷静かつ合理的に対処しても、
やはり北朝鮮はかつてのソ連などとは異なっており、
どこまで合理的な計算で動くかは未知数です。
結局のところは人間が決め、人間がやることであり、
どれだけ技術が進んでも「戦争はいつも霧の中」です。
事態と情勢がどっちに転ぶかは、
やはり、どうもちょっと気になるものがあります。
もうひとつ気になるのは先述したように、
日本政府による株価の「防衛出動」についてです。
「株価操作」のセオリーからいえば、
今日あたり、わりと強い買いを入れて、
市場全体の「買い戻し」を誘発するのが王道です。
それがうまくいけばお盆明け頃までには、
「2万円ライン」を回復することは可能でしょう。
しかし、日本政府にそれをやる意志とメリットが、
どこまであるかという点には疑問が残ります。
「株内閣」と言われる安倍政権だからこそ、
「株価の上昇」は至上命題とされていますが、
別にこの考え方が与党全体の中で、
強く共有されているわけではありません。
「株価操縦」はそもそも持続可能ではありませんし、
長い目で見ても持続させて良いものでもありません。
特に安倍政権の「後継政権」となる人々にとっては、
前政権が無理な「株価操縦」を続けた挙げ句、
その尻ぬぐいを押しつけられるようなことは、
迷惑以外のなにものでもないといえます。
当局が「株価操縦」の防衛ラインを下げれば、
日経平均のあるべき位置も変わってくるはずです。
投資家はそうしたことをどう考えれば良いのでしょう。
そうしたことを含めて情報を収集し、
次号メルマガ(第173号:8月13日)で分析します。
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