遅かれ早かれ「その日」は必ず来る。
(午前0時半の更新です)
昨日の日経平均の終値はなんと1999.91円
寄付からずるずると「2万円ライン」を割りましたが、
引けにかけて笑ってしまうくらい律儀に買いが入り、
ギリギリで2万円に寄せる展開となりました。
果たして「年間6兆円」という日銀のETF買いが、
いつまで続くのか定かではありませんが、
安倍政権の政治基盤を安定させるためには、
株価が一定以上に維持することは必須の要件です。
「アベクロ相場」との異名もありますが、
日銀の黒田総裁が現在の金融政策を遂行するには、
安倍政権の存在がその大前提ですから、
なぜ、日銀が株を買ったら2%インフレになるのか、
誰も納得のいく説明ができないというのに、
連日のように日銀は日経平均を買い続け、
今や日本の主要企業が「国営化」される勢いです。
まさかこんな形で「共産主義」が達成されようとは、
泉下のマルクスも驚愕していることでしょう。
・・・と、軽口はこのくらいにして本題に。
先月くらいまでアナリストの大半は、
日銀の次期総裁は黒田路線を踏襲するはずであり、
場合によっては黒田氏の続投もあり得ると考え、
その前提で中長期の予測を立てていました。
「アベクロ路線」が正しいかどうかはともかく、
不用意な路線転換は経済の大波乱を招きかねず、
それは世界に波及しかねないインパクトがあります。
しかし、どんなに「鈍い」アナリスト達も、
昨今の永田町の状況は意識せざるを得ないようです。
前号メルマガ(第169号:7月16日)に詳述した通り、
来年の今頃、安倍政権が存続する保証はなく、
再来年の今頃、自民党が権力の座にあるかも不明。
それでも「アベクロ路線」が継承されるのかどうか、
そろそろ真剣に考えてしかるべき時期といえます。
前号メルマガで指摘した通り、
現在の相場の前提条件がいくつか変更されれば、
市場参加者のコンセンサスはガラリと変わり、
日経平均が今の「水準」を維持する保証はありません。
特に日銀やGPIFが現在の「株価操縦」を停止すれば、
相場の展望は相当に違うものになるでしょう。
遅かれ早かれ「その日」は必ず来ますので、
次号メルマガ(第170号:7月23日)ではそのあたりを、
もう少し掘り下げて分析してみたいと思います。
無論、国内の政策要因だけでなく、
日経平均は海外要因にも敏感に反応します。
米国の共和党はオバマケア代替法案を断念し、
重要法案や予算を成立させる術を見い出せません。
中国が金融規制を強化しはじめたことで、
再び中国市場に変調の兆しが見えています。
米国と中国のどちらか一方に波乱があれば、
日経平均にはキツイものがあるというのに、
米国、中国、そして朝鮮半島や中東など、
世界の重要セクターのあちこちに「不安」があり、
それら全てが日経平均の重石となっています。
この夏、日経平均が「ふわりと軽くなる」瞬間は、
内外の情勢さえ穏やかなら確かにあったはずですが、
どちらかというと不穏なニュースが増えています。
為替は1ドル111円台まで円高が進み、
金価格も再びじわりと上昇しています。
どうも穏やかとはいえない夏になっています。
昨日のブログ記事にも書いたように、
内外ともドラスチックな状況転換が続いていますので、
次号メルマガで最新情報とともに分析します。
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