「波乱」の種は蒔かれた。
週明けの日経平均は上昇。
解散が「決定」した国内政局は、
「先週末」の各社調査を見る限り、
安倍政権側が順当に勝利する見込みです。
内閣支持率は回復傾向にあり、
大半の調査で不支持率を上回りました。
相変わらず、民進党の支持は低迷中で、
注目の「小池新党」もさほどでもなく、
だいたい民進党と同じくらいの数字でした。
(あくまで新党発足「前」の数字です)
「地政学リスク」は燻っていますが、
北朝鮮が太平洋上に水爆を撃ち込む兆候も、
イランとイスラエルが正面衝突する兆候も、
まだどちらも確認されておらず、
海外要因は「奇妙な安定」の中にあります。
こうした内外の状況を見る限り、
日経平均を売るよりは買うほうに分があると、
投資家が考えても不思議ではありません。
・・・というのは昨日までの話。
昨日午後には衆院選が事実上、スタートし、
無視できない「波乱」の種が蒔かれたようです。
安倍総理は昨日、「解散の大義」を発表し、
「増税分の使途変更」を訴えました。
前号メルマガ(第179号:9月24日)で詳述したように、
経済政策としては「妙手」となる可能性があり、
うまくいけば日本の未来に希望が灯りますが、
かなりのハレーションが警戒されるところです。
また、「選挙の構図」も激変しそうです。
小池新党は「希望の党」となり、小池氏が代表に。
政策面ではまだよくわからない新党ですが、
とりあえず政権への対決姿勢を明確にしました。
早くも「台風の目」となった希望の党ですが、
焦点はどこの選挙区に何人の候補を立てるかです。
2012年や2014年の衆院選のように、
野党側が勝手に潰し合う構図になるのであれば、
安倍政権側は「漁夫の利」を得て勝つでしょう。
しかし、野党側が実質的な「選挙区調整」や、
あるいは「棲み分け」のような形となれば、
話はまるで違ってきます。
前号メルマガで詳しい指摘をしましたが、
個々の選挙区において自公の候補者が、
「民共」か「希望」かどちらかと対峙して、
「一対一」で戦わざるを得ない場合は、
ちょっと容易ならざることになります。
内閣支持率は5割近くあるといっても、
自民党の支持率は3割いくかどうかです。
単純に「内閣支持率が高いから政権が勝利」とは、
ならない可能性があることが警戒されており、
政権側は勝敗ラインを「過半数」まで下げました。
いずれにせよ、今回の衆院選の最大の焦点は、
野党側がどんな「選挙の構図」を作るかです。
野党各党はこうした事実上の「調整」をめぐって、
水面下で非常に激しく活発に動いています。
やはり、「今週が最大のヤマ場」といえます。
また、海外要因もきな臭くなってきました。
米朝の牽制合戦は激しさを増していますし、
中東と欧州も依然として情勢不穏です。
「地政学リスク」はすでに「波乱」の種が、
たくさん蒔かれている上に、
そのいくつかは芽を吹き出しています。
いったん下がった金価格が再上昇に転じ、
為替はまた円高に触れつつあります。
じわりと緊迫感が高まっているようです。
こうした今週の情勢推移をよく見極めた上で、
次号メルマガ(第180号:10月1日)において、
10月以降の相場の展望を分析する予定です。
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