「アベクロ相場」の「余命」。
(午前0時半の更新です)
昨日の日経平均は小さく反発。
まるでそこに磁石でもあるかのように、
下げてもすぐに「2万円ライン」に寄せてきます。
終値でギリギリ「2万円ライン」をクリアしたのは、
底堅さのあらわれといってよいかと思います。
ただ、「下がらない」ことがはっきりすれば、
通常なら、上に仕掛ける動きが出てくるものですが、
ここしばらく「2万円ライン」を超えて浮上するや、
日経平均はたちまち「逆風」に晒されます。
先週のイエレン発言による「冷や水」から、
為替のほうは円高傾向がずっと続いており、
112円から111円台に定着しそうな雰囲気です。
この状況で日経平均が「ふわりと軽くなる」には、
政権がよほどの「玉」を出す必要がありますが、
永田町では内閣改造をめぐる紛糾が伝えられる一方、
霞が関の目は「ポスト安倍」を向いています。
安倍政権のために大きな「玉」を用意することは、
官僚達にとって有意義とはいえなくなっています。
ひとつの時代が終焉に向かいつつあるようです。
安倍総理は本来なら逃げるはずだった予算委に、
本来なら拒否し続けるはずの閉会中審査の形で、
2日間にわたって答弁に立つことになりました。
堂々と野党の挑戦を受けて立つことによって、
折からの劣勢モードを挽回できれば良いですが、
こういう追い込まれた形で審査に応じることが、
果たして本当に政権浮揚につながるのかどうか。
永田町の空気は与野党ともに冷ややかです。
7月、8月と頑張っても「挽回策」に失敗すれば、
例の「暫定政権」の可能性が高くなってきます。
それでもなお「アベノミクス」の骨格が維持され、
現下の「株価操縦」が続くかどうかは要注意です。
また、金融政策もいずれ転換します。
今日は日銀決定会合が行われますが、
「現状維持」が濃厚な決定内容そのものよりも、
黒田総裁が「出口」についてどう考えているかに、
より大きな注意と関心が払われそうです。
黒田総裁が「異次元緩和」の「出口」をやるのか、
それとも後継総裁に丸投げするのかによって、
今年後半から来年にかけての相場の動きは、
まるで違ったものになるのは当然ですので、
黒田氏の発言には大いに注意したいところ。
安倍総理と黒田総裁の二人三脚で形成された、
4年半にわたる「アベクロ相場」ですが、
いずれにせよいつまでも続くことはあり得ません。
先の通常国会をもう少し丁寧にやっていれば、
政権はここまで追い込まれなかったでしょうが、
今さらそんなことを言っても始まりません。
安倍政権の「後継」の話が俎上に上っているのに、
アベノミクスの「成果」が出ないのであれば、
「アベクロ相場」の「余命」も短くなっていきます。
今日、黒田総裁が何を語るかをよく見極め、
来週の閉会中審査をめぐる情報を整理して、
次号メルマガ(第170号:7月23日)で分析します。
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