(午前0時の更新です)

昨日の日経平均は先週金曜ナイトの動きを引きずり、

ずるりと下げてしまいました。

一時、為替が111円台に突入する勢いで円高に振れ、

金(ゴールド)はじりじりと上げています。

トランプ大統領の議会演説で何かの「玉」が出るか、

世界中が大いに注目しているところではありますが、

トランプ氏は口を開けば「余計なこと」をつぶやき、

世界に混乱をもたらすリスクもあります。

「期待」とともに「不安」や「警戒」も増す局面です。

それでなくともここに至るまでの間、

米国市場は「期待」だけで「歴史的高値」を続けています。

減税や財政出動などの「玉」が「期待」できるとしても、

買いであれ売りであれポジションを決めるのは、

実際に出てくるものを見極めてからという気持ちも、

まあ、当然と言えば当然かもしれません。

ともあれ。

経済政策への「期待」はともかくとして、

私としては日米両政権の政治的な足元が、

やはり非常に気になってしまいます。

トランプ氏のもたらす「金ぴか時代」には目が眩みますが、

やはりトランプ大統領の政治姿勢はいかにも危なっかしく、

「4年の任期を全うできる」と言い切る根拠はありません。

通常ならば政権批判が慎まれるべき「最初の100日間」で、

これほど壮絶なバッシングを受けているわけですし、

足元で閣僚、高官達にも何があるかわかりませんから、

この政権に大切な財産を預けるのはどうも怖いです。

同様のことは日本の安倍政権にも言えます。

依然、内閣支持率は6割以上と歴史的な水準を維持し、

国政での「一強多弱」の構図は揺らいでいませんが、

足元の権力基盤はそう盤石とはいえなくなったことは、

前号メルマガ(第149号:2月26日)で分析した通り。

古今東西、政治の本質は「権力闘争」であり、

民主制においては一定のルールがあるとはいえ、

一方が他方を打倒して政治のダイナミズムが生まれる以上、

最後まで安泰のまま後継者に禅譲するほうが例外であり、

ほとんどの政権がいずれ「崩壊」するものです。

昨年は英国や米国で衝撃的な政権交代があり、

韓国でスキャンダラスな政権の「崩壊」がありました。

今年はオランド政権にもメルケル政権にも、

政権交代や「崩壊」の影が迫っておりますし、

強権を発動し続ける金正恩政権も習近平政権も、

いつでも政権が「崩壊」するリスクに怯えています。

また、米国のトランプ政権も、日本の安倍政権にも、

民主主義のダイナミズムがどんな審判を下すかわからず、

日米揃って今年や来年に「崩壊」してしまっても、

ちっとも不思議ではないといえましょう。

それが、政治の本質です。

トランプ政権の「金ぴか時代」に「期待」するにせよ、

安倍政権の第4次産業革命等の成果に「期待」するにせよ、

常にそうしたリスクがつきまとうことをわかった上で、

賢明になさるのが大切といえましょう。

そうした政治的要因による変動があってもなくても、

安定して資産を殖やしていく方法について、

次号メルマガ(第150号:3月5日)でまた考察します。

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