「何が問題か」がわかった瞬間に、 ほぼ、「解決策」もみえてくるものです。
お盆明けにふたたび最高値にトライする勢いで上昇したのに、
昨日の日経平均はまた20500円ラインまで戻ってしまいました。
お盆前の「人民元ショック」の傷がまだ癒えていないところに、
天津で痛ましい爆発事故。タイでテロと思われる爆発。
新興国の株式市場やアジア通貨全体に動揺が走っています。
ただでさえ、中国の景気減速が重しとなっている時に、
じわりじわりと社会不安が醸成されてしまえば、
誰も好き好んでリスクをとろうという雰囲気にはなりません。
「5頭のクジラが買ってくれる」と安心する人も多いようですが、
クジラ軍団よりもそれ以外の投資家(機関、一般、海外など)の、
資金総量のほうが圧倒的に、はるかに多いですから、
市場全体が「売り」に傾いたときには到底支えきれません。
今、クジラ軍団の一日の投入量は数百億円といったところですが、
東証の一日の売買高は2兆円以上もあるのです。
先物や値嵩株を使って市場全体を操作しようにも限界があります。
いずれにせよ、海外で「得体の知れない何か」が発生しているのは、
株式市場にとってはやっかいなことです。
どんなことにも通じる話ですが、
「問題」というのは、「何が問題か」がわかった瞬間に、
ほぼ、「解決策」もみえてくるものです。
場合によっては、その「解決策」を「実行できない」という、
「新たな問題」がダメージを大きくすることもありますが、
(日本の「少子高齢化問題」などがまさにそれかもしれません)
たいていの場合は、「問題」が何かはっきりした瞬間に、
まともな判断力と行動力のある国家、組織、個人ならば、
「解決策」に向かって一歩づつでも足を踏み出すはずです。
天津やバンコクの爆発のように正体かわからない「何か」が背景にあり、
しかもそれが連続して起こるため、じわりと社会不安が醸成されるのは、
為政者にとっても、投資家にとっても、最も嫌な展開です。
日本市場でも「正体不明」の不安がアタマをもたげつつあります。
参院での安保法制審議はお盆が明けてもちっとも進みませんし、
あれだけ派手にぶちあげたアベノミクスでGDPは減っています。
日銀はまだ「追加緩和」という奥の手を温存していますが、
9月に米国利上げがあれば、やはりその影響をまともにかぶるでしょう。
そんなわけで、クジラ以外の投資家の買い意欲はずいぶん減退し、
東証の売買高も2兆円を割り込みそうですから、
本格的な「次のピーク」はひと呼吸置いてから来るか、
あるいはしばらく来ない恐れもあります。
時折、風が涼しくなり、空をみるともう秋の雲が浮かんでいます。
お盆明けの永田町を歩き回ると、どうも様子がヘンです。
9月には超がつくほどの政治のビッグイベントが続きますが、
ちょっと警戒をしたほうがいいかもしれないとは思っております。
この話はまた次号メルマガ(第70号:8月23日発行)で。
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