「3月危機」、もし起こらば。
(午前0時の更新です)
昨日の日経平均はなんとか反発。
円高基調が一服したところに、
ソフトバンクの好材料も飛び込んでの上昇です。
遠からずトランプ政権の「超大玉」が控えています。
やはり19300円前後をキープできている限り、
日経平均がいったん再上昇することはあり得ることは、
昨日のマーケットで示されたものと思います。
しかし、「米国以外」の材料はどれをとっても、
株式市場には好材料といえないものが並んでいます。
(米国の材料も「期間限定」のように思えますが…)
前号メルマガ(第148号:2月19日)などで指摘した、
欧州発の「3月危機」の恐れなどについては、
すっかり人口に膾炙されつつあります。
いくらトランプ氏の「玉」が強力であっても、
「米国以外」の世界各地は波乱含みであり、
トランプ政権の狙いは「米国第一」のみである以上、
非・米国人である私たちが無邪気に喜ぶには、
あまりにも状況が不透明といってよいでしょう。
東アジア情勢も笑って見ていられる状況ではありません。
暗殺された金正男氏の遺体の引き渡しが拒否され、
北朝鮮とマレーシアの関係が険悪になっていますが、
公表された正男氏の写真で「替え玉説」が急浮上するなど、
よくわけのわからない展開になってきています。
ただ、下手人が誰かとか殺されたのが誰かとかはともかく、
東アジアの構図がまるっきり変わってしまっていることは、
やはり注意してみておくべきでありましょう。
1994年以降、北朝鮮の暴発は何度も懸念されてきましたが、
いずれも「最悪の事態は避ける」という暗黙の了解のもとに、
いわば「外交ショウ」としてのパフォーマンスが行われ、
結果的には本格的な実力行使は常に回避されてきました。
今回の事案が過去20年と明確に異なっているのは、
前号メルマガに書いたように、
「米国が北朝鮮に対する強硬姿勢を明示的に表明」
「中国は北朝鮮を見放す可能性を示唆」
「6カ国協議のスキームが機能する様子はない」
といった3つの要素といえます。
つまり、「最悪の事態は避ける」という大前提が、
どこかに行ってしまっているわけです。
本来、戦争など誰も望まないはずですが、
しかし国際的な「平和のメカニズム」が壊れた時、
偶然に偶然が重なってにっちもさっちもいかなくなり、
国家は「身を守るため」に実力を行使するものです。
とりわけ今回の場合は、
金正恩氏のほうにも、トランプ氏のほうにも、
「(自分自身の)身を守るため」という理由があるのは、
前号メルマガで詳しく分析した通りです。
「テールリスク」と笑って済ませられないのであれば、
市場参加者が一応は警戒するのは当然です。
「遠くの戦争は買い」なのでしょうが、
半島での有事は「近くの戦争」ですし、
日本が「当事者」になる恐れもあるなかで、
マーケットは盛り上がり切らないでいます。
ないことを祈ってはいますが、
「まさか」がないとも言い切れないわけです。
そして、「有事」の可能性が否定し切れないのであれば、
自らの資産を吹き飛ばさない備えは当然に必要であり、
むしろそれをチャンスに変える方策を考えたいもの。
「3月危機」の有無についての正確な予想は不可能ですが、
もし起こったら起こったでどうするかといったことを、
次号メルマガ(第149号:2月26日)で私なりに考察します。
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