待望の「上昇圧力」と、「近くの危機」について。
(午前0時の更新です)
日経平均の連騰は久しぶりのような気がしますが、
ともあれ、16700円台に乗せました。
「ノーベル賞のご祝儀」もあるのでしょうが、
主因はやはり、かねてからの不安がやや後退し、
世界の市場がやや落ち着きを取り戻しつつあり、
円高が一段落していることの他、
すっかり「既定路線」になってきた、
年末年始の「北方領土解散」や、
これにあわせて出る「超大玉」への「期待」も、
そろそろ無視できなくなってきたようです。
これらは待望の「上昇圧力」といえます。
ただ、「北方領土解散」の構想を最も早く、
お伝えしてきた私だからあえて言いますが、
外交交渉は最後まで何があるかわかりません。
最後の大詰めの局面であまり大きく報道され過ぎ、
想定外のハレーションを引き起こさないかが、
私としては、少し気がかりではあります。
また、解散総選挙についても同様で、
首相だけの「伝家の宝刀」である解散権を、
与野党みんなで「規定路線」にしてしまうと、
こんどは「解散しない」という選択肢にも、
逆の意味のサプライズ効果が出てきます。
前号メルマガ(第128号:10月2日)では、
「解散したほうがよい」理由と事情を書きましたが、
「解散しない」という選択をした場合でも、
安倍政権が長期存続して「本懐」を遂げるための、
いくつかのシナリオと戦略はあります。
ただし「絶好機」を逃すこと自体が、
それなりのリスクを意味しますので、
次号メルマガ(第129号:10月9日)では、
そのあたりの分析もしてみたいと思います。
いずれにせよ、「8月後半以降の神風」によって、
政権側は優勢に駆け引きを進めつつありますが、
「政界は一寸先が闇」というのもまた真実です。
最後の瞬間まで油断はできないと身構えるのは、
永田町周辺で生きてきた私達の本能でもあります。
ともあれ。
年末年始の「超大玉」への「期待」とは別に、
複数の「危機」への警戒も併存するのが、
今年の10月相場の特徴でもあります。
前号メルマガでもたっぷりと書いたことですが、
投資家として目配りが必要なのはやはり、
「近くの危機」がどうなるか、どうかわすかであり、
「遠くの危機」にどう備え、大チャンスに変えるかであると、
私は考えております。
その「近くの危機」について。
日経平均の続騰を「期待」したいところではありますが、
「近くの危機」はまだ去ったわけではありません。
ようやく連騰したといっても、
まだ非常に狭いレンジの範囲内ですから、
自信を持ってリスクオンを判断する位置ではありません。
欧州のほうは少し警戒感が和らぎつつありますが、
米国のほうは両候補が派手なチャンバラを演じており、
毎日、攻守を変え、相互に「切り札」を突き付けています。
また、中国はそもそも全てがブラックボックスですので、
予兆もなく不意に破裂する怖さがあります。
また、週末が近づくについて、今週は「毎月の事情」で、
「上昇圧力」にブレーキがかかる可能性もあります。
ここからの上昇を見越して上値を追われる方は、
こうした事情をよくご理解の上、
たとえ、「思惑」が外れたとしても、
動揺したり致命傷を受けたりしないよう、
十分な慎重さと注意は不可欠であろうと思われます。
「相場は生き物」ですし、相場をめぐる状況は毎日、
しかも、瞬時に変わる可能性がありますから、
中途半端な株価位置で大ばくちに出るのは、
どんな局面であれ、賢明なやり方ではありません。
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