政府・与党は今国会(186常会)を延長しないことを決めました。

重要法案(それほどありませんが)も、ほぼ通過の見込みが立ち、

安倍政権としてはほぼ満点の国会対策で6月22日の閉会を迎えます。

ここからの焦点は「人事」です。

与党も、官僚も、マスコミも、戦々恐々で「内閣改造」の行方を追います。

8月の外遊と予算のさやあてを前に、7月には新しい布陣が決まるでしょうが、

改造内閣の布陣次第で、国策の重大な方向性が決まります。

すなわち、「軍事政策」と「経済政策」です。

安倍政権の悲願は「軍事政策」のほう。

つまり、「集団的自衛権の行使容認」ですが、

連立組み替えのような大技も断たれた今、

自民党内リベラル派と公明党への配慮がどうしても必要になります。

「行使容認」が既定路線であることには間違いありませんが、

実のところまだ、政府部内でもすりあわせができていないのです。

突き詰めれば「行使容認」とは、

内閣法制局が憲法解釈を変更するかどうかだけの話ですが、

肝心の内閣法制局の部内はまだ、この検討に手もつけていません。

現時点では、首相の私的な諮問機関(安保法制懇)で話し合いが続いていますが、

この「安保法制懇」が来週、官邸に報告書を提出し、

それを受けて、正式に政府の各部署も検討をはじめる段取りです。

この問題の直接的な担当になるのは防衛省と外務省ですが、

両省とも報告書の最終形待ちです。

したがって、

内閣法制局で防衛省を担当する第2部、外務省担当の第3部も、

この問題に着手すらできておらず、

総まとめをする本丸の第1部(憲法問題などを担当)は、

現時点では解釈変更に非常に否定的なトーンで、

官邸経由で話が来るのを待っています。

自民党内リベラル派も、公明党も、野党も、

安保法制懇の報告書が固まった瞬間から、

巻き返しとねじ込みを始めるつもりですから、

政権(官邸)としては間合いをはかりながら、

うまく人事(閣僚ポスト)や他の法案でのアメとムチを使い分け、

「集団的自衛権の行使容認」に話を持っていく必要があります。

6月22日の国会閉会を目指して、

こういう駆け引きが一気に本格化しました。

このダイナミズムによって、

改造内閣が打ち出す経済政策も大きく影響を受けるのです。

6月、7月に政府が出すと予想される「株価上昇パッケージ」は、

現在のところの見通しを今週末のメルマガで書く予定ですが、

それこそ、日経平均を1000円も2000円も動かすような重要政策が、

これから与党内、与党内、政府部内ではじまる

すったもんだの力関係で最終的に決まるのです。

そこに、来年度予算をめぐる鞘当てが絡んできます。

今年、年初からずっと日本株が売り込まれたのは、

昨年の夏から秋にかけて、

安倍政権が経済政策を誤った「失政」の影響が大きかったのですが、

今年はこれを巻き返せるかどうか。

ゴールデンウィークが終わったばかりで、まだ、ぴんと来ないでしょうが、

政治の世界、政策の世界ではもう、

秋から来年にかけての相場を決める、大きな、大きな流れが始まっています。

こういう動きが、相場にとっては決定的に重要であることは、

読者の方々は重々ご承知かと存じますので、

今後とも、このブログで概要をお伝えし、

書けないネタはメルマガで明かしてまいりますのでお楽しみに。

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