(午前0時50分の更新です。)

昨日の日経平均は続伸しましたが、

権利落ち分(130円程度?)を考慮するならば、

やはり17000円ちょうどくらいで頭打ちの恰好です。

先週に引き続き膠着状態と言えます。

もっとも、「風」でも「クジラ」でもなんでもいいですから、

当面、17000円ラインを守り切ったならば、

「4月相場」は「期待」できる展開になりそうです。

その意味で、今週は分水嶺かもしれません。

今日、権利落ち分を乗り越えるか。

週末のビッグイベントで調子を崩さないか。

膠着し、閑散としている相場ではありますが、

市場全体にピリピリと緊張感が漂ってことも感じます。

もっとも、今後どうなるかは材料が出るまでわからず、

その材料は、私達、個人投資家にコントロールできない以上、

焦ったり、慌てたり、気に病んだりするだけ損です。

前号メルマガ(第101号:3月27日発行)で書いたように、

材料が出てきそうな「転機候補日」はわかっていますので、

突発的な事情が発生することにだけ注意しつつ、

淡々と、相場を見守り続けるほかはありません。

膠着状態の後は、いずれ、大きく動くものですから、

こういう時にこそ、英気を養っておきたいものです。

ところで。

目先の相場を淡々と眺めつつ、

私は今、ちょっと根本的なことを考えています。

「アベノミクスはバブルをもたらしたか」というものです。

量的緩和(異次元緩和)をやったのですから、

資産インフレは確かに発生したと思います。

実際、株価は倍増し、都心部の不動産価格も大幅高です。

しかし、それが「資産バブル」といえるほどかというと、

そう断定するほどの根拠に欠けると思います。

異常だった「失われた20年」の水準から、

正常で当たり前の資産価格に戻ったに過ぎないと考えています。

正真正銘のバブルであった、

1989年(不動産のピークは1992年)の株高のピークでは、

日経平均のPERが60倍を超え、

東京都の土地値だけでアメリカの土地が丸ごと全部買えましたが、

現時点の日経平均PERはほぼ国際標準なみですし、

土地値(利回り)に至っては都心など一部の地域が、

ようやく世界(先進国、アジア諸国)標準に追いついたところです。

「2015年総集編」をご覧いただけばおわかりのとおり、

昨年、私は日経平均PERが17倍を超えてコントロールを失い、

18倍、19倍という「バブルゾーン」を暴騰する可能性があるとみて、

一応の警戒を敷きながら「熱い夏」を眺めていましたが、

そうした局面が来る前に中国の政変騒動などで腰が折れました。

バブルとは、それが弾けてはじめてバブルとわかるといいますが、

それでもアベノミクスでの株高・不動産高をバブルというのは、

やはりちょっと無理があるのではないかと考えています。

しかし、だとするとちょっとヘンです。

黒田総裁の実施した「異次元緩和」で、

あれだけ巨額のマネーが市場に溢れ出たというのに、

せいぜい世界標準並みにしか株と不動産が上がらなかったのなら、

大部分のお金はどこに逃げていったのでしょうか?

海外に染み出して米国や新興国を潤したのかもしれませんが、

それにしても、もう少し日本国内で影響がありそうなものです。

実は、ある商品に大きな影響があったのは確実です。

国債です。

株や不動産の価格は、国際的にも歴史的にも標準的ですが、

国債価格だけは、国際的にも歴史的にも異常値にあります。

バブルとは、それが弾けてはじめてバブルとわかるものですから、

アベノミクスは後世から「国債バブル」と呼ばれるかもしれません。

そして、バブルとは必ず弾けるものです。

怖いのはそこです。

株や不動産のバブルは、古今東西、たくさんの記録があり、

一定のパターンで発生、崩壊、回復することがわかっていますが、

日本ほどの規模での国債を発行した国は歴史上かつてない以上、

「国債バブル」が弾けたらどうなるのか誰にも予測はつきません。

「2014年総集編」や「2015年総集編」に詳しく書いたように、

私達がアベノミクスが始まる前に行ったシミュレーションでも、

最新の内閣府の試算やこれを使った財務省系の提言等をみても、

国債の長期金利はメガトン級の爆弾になっているのがわかりますが、

いつかバブルが弾け、国際価格が暴落(金利急騰)したら、

同時代にある全世界くまなくに途方もない悲劇が襲い、

広範囲で「富の勝者」が入れ替わることになります。

そうした「ハルマゲドン」を回避するべく、

財務省や日銀など「日本一優秀な頭脳」が寿命をすり減らしつつ、

日夜、励んではおられるのは重々承知していますが、

もはやここまで来ると、我が国の努力がどんなに正しくても、

思わぬ外的要因で叩き崩される危険が常につきまとってきます。

そんな悲劇が来るのか来ないのかは「神のみぞ知る」ですが、

「神ならぬ身」としては、それが、来ても来なくても生き残り、

次世代に継承する大きな富を作るべく、

「安心、安全、堅実」に資産を築き、防衛するしかありません。

私のメルマガのひとつの大きなテーマがこれです。

「2014年総集編」でも「2015年総集編」でも、

このテーマに沿ってたくさん記事を書きましたが、

そろそろ「アベノミクスの終わり」を真剣に考える頃であり、

遠からぬ将来に「政権交代」の可能性も浮上しつつあります。

(野党側が「頭」を入れ替えた後、やや先の話だと思いますが)

黒田バズーカ3や増税凍結など、これから出るかもしれない「玉」は、

近未来の国債市場にも大きな影響がある可能性がありますので、

次号メルマガ(第102号:4月3日発行)では、

新しい材料を織り込んで、「国債バブルの崩壊」、

すなわち「財政破綻危機」について分析してみたいと思います。

目前の参院選に勝ち抜きたい気持ちもわかりますし、

「改憲」が大事だという気持ちもよくわかりはするのですが、

しかし、ここであまり無茶をしすぎると、

早く、大きな悲劇を招く恐れもないわけではないと考えています。

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