常に、「一寸先は闇」なのです。
(またまた所用により、8月3日朝のぶんの更新をこの時間に)
日経平均はふたたび最高値をうかがう位置まできました。
中国や米国、そして欧州にさんざん足を引っ張られながらも、
じりじりと値を戻してここまで回復してきたのは、
まさに私がメルマガで書いた「日本株独歩高」シナリオのとおりです。
ここから先、いつ最高値を更新してくるかは、
まず、今週のビッグイベントをみないことにはなんともいえませんが、
いずれにせよ、前号メルマガ(第67号:8月2日発行)にかなり詳しく、
「見立て」や「シナリオ」を書いていますので興味のある方はご参照を。
ところで、先週末の「TPP騒動」について。
外交というものの何たるか、政治というものの何たるかを、
あますところなく再確認させられるものとなりました。
「明日、朝8時半にTPP妥結の記者会見」という情報が流れ、
金曜日は永田町も霞が関も報道各社も色めきたちました。
実際、報道各社は特番や特集の準備にてんやわんやとなり、
与野党各党ともコメント等の準備でごった返しました。
ところが、その甘い見通しをたしなめるかのように、
すぐさま「協議はやはり難航中」という続報(?)が入り、
準備していた記者会見は一日、延期された挙句、
結局のところは甘利大臣が渋面を浮かべて「交渉決裂」を発表。
やはり、外交交渉は一筋縄ではいかないことを思い知らされました。
やはり、常に「一寸先は闇」なのです。
外交交渉も政治闘争も、「経済的合理性」とは別の次元の力学が支配します。
それゆえ、いかなる「見通し」や「予測」も、裏切られる可能性があります。
というより、「経済的合理性」に基く「最適解」がひとつだけ存在し、
ゲームの参加者のみんながそれに納得していれば、
最初から外交交渉や権力闘争などは発生する余地がないのです。
むしろ、「こうなるべきだ」「そうなるであろう」という「最適解」から、
なるべく遠く離れた結果を導くべく皆が頑張るからこそ、
交渉は熾烈となり、闘争は激烈となるのです。
これが、私が「予測」にのらない理由です。
私は、TPPに関しては、昨年の早い段階においてすでに、
日米両政府の間で「完全合意」が成立していると聞いており、
あとは他の少数のプレイヤーの調整が残っているだけとされていました。
ところが、そこから日米両国の国内事情から二転三転が始まり、
それが、他の小国も巻き込む形で交渉をややこしくし、
健康不安を押して働く甘利大臣の髪の毛が全部白くなってもなお、
最終的な結論には至ってないのです。
交渉事や勝負事というのは、かくも「予測」が困難です。
そんななかでも、「生き残り、勝ち残る」ことを考えるのが、
投資家たるものの責務です。
そして、私のメルマガはそのために存在するといってよいでしょう。
TPP自体が日経平均に与える影響は限定的かと思いますが、
金融、財政政策を含む経済運営全般に絡む政局、政策ならば、
そのインパクトは甚大なものがありますが、
このところ、内外にいろいろと「地殻変動」が起こりつつあります。
まったく「予測不能」の展開がこの後起きるかもしれませんので、
この8月、私は水面下の状況変化に耳をそば立たせています。
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