「期待」。
先週金曜日の米国雇用統計の数字が「想定外」で悪く、
これを受けてNYダウも日経先物を急上昇しました。
とはいえ、これは誰が何といっても「おかしな話」なのですが、
「景気の見通しが悪いから株価が上がる」というパラドックスが、
ここ7年間、世界中を支配してきた「政策相場」の本質を示しています。
無論、おかしかろうが何だろうが、
「利上げは先送りだろう」という「期待」が広がったのは事実です。
「米国利上げにともなう大混乱」というシナリオが遠ざかれば、
米国のみならず世界中に安心感が広がるというわけですから、
先週まで相場全体を覆っていた霧が、一時的にも晴れます。
米国の「転機候補日」は、少なくとも短期的にはプラスでした。
そしてこれを受けて、次は日本が「転機候補日」を迎えます。
10月7日の内閣改造と日銀会合なのですが、
その前に、間もなくTPPの妥結が発表されそうです。
TPPの大枠は昨年のゴールデンウィーク頃には固まったのに、
「小国」が「細かい品目」のことで猛烈な抵抗を示してしまい、
ここまで引きずったのは日米の代表団には「想定外」でしたが、
なんとか「最後の最後の最後」の段階まで差し掛かっています。
TPP妥結は株価にとっては追い風と考えられますので、
とにかく株高の「玉」が欲しい安倍政権としては、
嫌が上にも「期待」が高まるところです。
もちろん、TPPの交渉結果が発表された後、
これに反発する国内の業界・団体の激しい抵抗が予想され、
これが必ずしも支持率を上げるとは思えないため、
激しい紛糾の「TPP国会」となりそうな秋の臨時国会を、
スキップするアイデアまで浮上していますが、
そういうことはともかくとして、「今」は株価を上げたいところ。
そして、明後日、10月7日には内閣改造があり、日銀決定会合があり、
8月以来、徹底的に痛めつけられた日経平均を押し上げる、
安倍政権の「反攻」が始まるのではないかということを、
多くの人が、なかば祈るような思いで「期待」しているのです。
8月以来の暴落で塩漬けになっている人のなかには、
安倍政権の「反攻」に期待してナンピンを仕掛ける人も多いようです。
私も、もちろん「期待」しています。
ただ、「期待」しているからといって、先に仕込んではいません。
「期待」というのは裏切られることが多く、
もし、思惑が外れたら逃げるのが難しいからです。
政府というのは常にうまくやるわけではなく、
「誤算」や「内部事情」や「ケアレスミス」や「ポカ」などによって、
時折、信じられないくらいアホなこともします。
それなのに、「そろそろ政府がなんとかしてくれる」と「期待」し、
命の次に大切なお金を赤の他人に託すような博打をして損しても、
結局のところ、「お前はアホか」と言われてオシマイです。
古今東西、多くの投資家が政府に恨み節を吐きながら破産し、
繰り言を述べながらさびしく生涯を閉じましたので、
私はそういうことにはならないように、
政策に「期待」はしても、「期待に乗る」ことはしないのです。
もちろん、政府が「期待」どおりに動いたのを「確認」したら、
その時はその時で適宜適切に「対処」するかもしれませんので、
考えられるシナリオは前号メルマガ(第76号:10月4日発行)に書きました。
興味のある方は、ご参照ください。
さて。どうなるか。
☆
☆
★メルマガのお申し込みはこちら⇒「申し込みページへ」
※当月中のお申込みいただいた方には、当月発行分のバックナンバー(第76号:10月4日発行)が届きます。
【↓↓↓いつもお読みいただいて、ありがとうございます。少しでも参考になった方、面白いと思われた方は、以下のランキングページにクリックをお願いします↓↓↓】
※ バックナンバーについてはこちら → 【時鳥・政経レポート「天の時」メールマガジン・バックナンバー2014】 アベノミクスの進撃
※本ブログは国際情勢、政治、経済に関する情報分析と、私自身の相場観、相場分析、トレード・ノウハウをお伝えすることが目的です。読者の皆様への投資助言、推奨のようなことは一切行っておりません。また、記事の内容には万全を期していますが、市場では常に「想定外」の事柄が発生する以上、その正確性を保証するものではありません。さらにいえば、相場予測が正しくても、それで勝てるとは限りません。読者の皆様が、本ブログの記事を参考にトレードなさり、損失を出されることがあっても、筆者はいかなる意味でも責任を負いかねますことをご承知おきください。いずれにせよ、投資においては自己責任が絶対の原則ですから、情報武装、知識武装、リスクヘッジに万全を期されることをお勧めします。皆様が大きな富をつかまれることを、心よりお祈り申し上げます。
※本メールマガジン及び時鳥氏へのブログ等のコメントは時鳥氏及び時鳥メルマガ発行委員会の広報物あるいは著作等に使用させていただくことがございます。あらかじめご了承ください。
コメントを残す