ギリシャの世論調査では「改革案」への反対が賛成を上回りました。

改革案の内容が周知されるや、「それは嫌だ」となった模様です。

「改革案には反対だが、ユーロには残留したい」という、

どこまでもムシのいいギリシャ国民です。

また、昨日夕方にはチプラス首相が「改革案受け入れ」を表明し、

国民投票もなくなるような報道が流れた後、

今朝がたには同首相は一転して国民に「改革案拒否」を訴え、

やはり、国民投票で白黒をつけると改めてアピールしました。

「改革案の否決はユーロ離脱を意味しない」という、

まことに自分勝手、手前勝手な自説展開です。

相変わらずの「ギリシャ式交渉戦術」でため息が出ますが、

しかし、昨日の日経平均は大きく上昇し、

あたかもギリシャ危機が遠ざかったような値動きをしています。

火曜日にも書きましたが、ギリシャ一国が破綻したとはいえ、

別の国や機関に連鎖しなければそれほど大きな問題ではなく、

ギリシャ「ネタ」で騒ぐことにも疲れてきたのかもしれません。

思わぬところから隠れた騒動が出する可能性は皆無ではありませんが、

日米欧の当局は歩調をしっかりあわせており、

少なくとも株価に関しては政策的に高値誘導をしており、

日経平均にも「上昇圧力」が健在であることは変わりません。

いずれにせよ。

現時点で相場を荒らすのは「噂、憶測、思惑」の類いであり、

いわばこれは「情報戦」です。

しかし、時として「噂、憶測、思惑」が決定的に重要になるというのが、

相場の面白さというか、始末の悪さというか・・・。

皆さんも、ナポレオンが英国等の連合軍に敗れた、

ワーテルローの戦いの話はよくご存じのことと思います。

この戦いはナポレオン帝国が復活するか、

あるいは英国をはじめとする諸国が生き残るかの、

「天下分け目の戦い」でした。

そこで、ネイサン・ロスチャイルドは早馬の伝令を仕立て、

いち早く自分の耳に勝負の結果が入るように準備していました。

そして、英国中の人々が固唾を飲んで情報を待っているなか、

朝一番の債券市場にあらわれた彼は、

青ざめた顔で手をすっと振り下ろし、

持っている英国債を残らずに売り払ったそうです。

これをみた投資家達は「英国が敗北した」と勘違いし、

人々が我も我もと英国債を「パニック売り」した結果、

お昼までには英国債は売りが売りを呼んで大暴落。

しかし、「紙くず」同然となった膨大な量の債権を、

午後には、ロスチャイルドの代理人がごっそり買い占めました。

その翌日、英国民は、総司令官のウェリントン公爵からの正式の伝令で、

英国側が勝利し、ナポレオンの夢がついえたことを知ったのですから、

前日には「紙くず」同然に叩き売られた英国債はすさまじい大暴騰。

ネイサン・ロスチャイルドが買い占めた債券は2500倍にもなったとされ、

たった一日で、国家財政に匹敵する資金が彼の手に転がり込みました。

私はかねがね、

市場は「駆け引き、騙し合い、出し抜き合い」と申しておりますが、

歴史上、ネイサン・ロスチャイルドは最もうまくやった人でしょう。

なお、その後のロスチャイルド家は「安定収入」を確保します。

「大名貸し」です。

欧州諸国が相互に牽制して軍拡競争をしていた時代でしたが、

しかし、世銀もIMFもなかった当時において、

それだけのキャッシュを保有する機関も個人も皆無でしたから、

財政逼迫した主要国が敵も味方も揃って頭を下げ、

1億ポンド借りて2億ボンド返すような高利でカネを借り、

ロスチャイルド家に様々な便宜をはかったのです。

(日本の明治維新新政府もその一国といいます)

これが、今なお、世界の半分を支配すると言われている、

ロスチャイルド家の繁栄の礎を築いたという有名な話です。

市場に経済学のいう価格調整機能が備わっているのであれば、

市場価格は常に安定的に均衡値を目指しておかしくないはずですが、

市場というのはしょっちゅう「あり得べき値段」から大きく外れ、

あたかも反省するように元の位置に戻ってくるものです。

その背後には、常に投資家たちの「噂、憶測、思惑」があります。

ネイサン・ロスチャイルドがいったん「偽情報?」を流して、

英国債権市場の大暴落を煽ったような振る舞いは、

今もなお、世界のどこかで常に行われているのです。

昨日は「嘘から出たマコト」の話をしましたが、

時に、意図的な「噂、憶測、思惑」が本当になってしまい、

「取り付け騒ぎ」や「買い占め騒動」が発生し、

大混乱が長期にわたって続くことも多々ありますが、

それによって儲ける人もまた、多いのです。

さて、今夜は米国雇用統計。

市場の大半は「利上げは秋以降、たぶん年末」と考えています。

また、ギリシャやウクライナ等のデフォルトで市場が敏感な時に、

よほどいい統計数値が出たとしても、

当局は、利上げの時期を早めるような決定はしづらいとみています。

基本的には「無風」の可能性が高いですが、

しかし、ネイサン・ロスチャイルドになりたい人はたくさんいます。

妙な噂や駆け引きで市場が上下しないかどうか、

しっかりみておきたいと思います。

ところで、ほぼ「手詰まり」になりつつたる安保法制の話に、

「意外な逆転打」の噂もまた流れてきました。

この問題は、世間の人が思っているよりは、

相場の未来に関係していますので、次号メルマガ(第63号:7月5日発行)で、

また、書かせていただきたいと思います。

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