妙な相場展開が続いています。

昨日の日経平均は外部要因に足を引っ張られ、

寄付から大幅安の展開となりました。

ですが、どういうわけか落ちると切り返す動きが始まり、

引けにかけては前週末比でプラス圏に浮上する勢いで上昇。

「3日ぶりの反落」とはいうものの、たった19円29銭安です。

公的資金のPKOが入ったという人もいますが、

日経平均をなかなか下げない圧力が存在するのは、

前号メルマガ(第60号:6月14日発行)に書いたとおりです。

ただ、FOMCや日銀会合などの「6月の関門」を前にして、

相場全体が神経質になってきたことも無視できません。

「上昇圧力が存在する」からといって、

いつ、どんなふうに叩き潰されるかわからない怖さがあります。

日経平均はあの12連騰以来、非常に狭いレンジのなかにおり、

ある意味では「膠着状態」にあります。

ひとたび、これがブレークしたら大きな動きになりそうですので、

私としては息を詰めて今週の「関門」をみているところです。

さて。

何が起きるかわからないということで言えば、

政界はまさに「一寸先が闇」です。

安保法制をめぐる国会審議は、先週木曜日まで圧倒的に野党優勢。

日程闘争でも野党側の策略が功を奏し、政府与党は法案を通せても、

会期末までに4~5本の「強行採決」をせざるを得ない見通しとなり、

これが夏以降の安倍政権に決定的なダメージを与えることを、

与党内からも危惧し、また、期待する声が高まっていたものです。

それが、私が警戒した「8月の憂鬱」だったのですが、

追い詰められたかにみえたところでの「逆転打」が大ヒットし、

先週金曜日から一挙に攻守が逆転してしまいました。

その「逆転打」とは、「維新の党内クーデター」。

仕掛け人は例によって●氏です。

これで、「民維共三党連合」で安倍政権を追い詰めつつあった松野維新が、

「大阪方」の党内クーデターで野党再編の腰が砕けたのです。

ここまでの経緯は、前号メルマガで詳しく書いたのですが、

メルマガを発行して数時間後、なんと「大阪方の総大将」であり、

すでに「死んだはず」の橋下市長が上京して安倍総理に会い、

「自公維」での修正協議を経て安保法制を通過させる算段を、

あっという間に立ててしまったのです。

野党側にとっては「晴天の霹靂」。

与党側にとっては「干天の慈雨」。

「死んだはず」の橋下市長がこれだけ早く復活し、

国会での法案審議の流れを逆転させたのは驚きですが、

永田町では「死んだはず」の「自公維連立政権構想」まで復活し、

早くも「安倍・橋下連合」での「改憲」の話まで取沙汰されています。

「相場は生き物」ですが「政治は化け物」です。

相場においては「騙し合い」、「出し抜き合い」が日常ですが、

政界においては「殺し合い」がその本質。権力闘争とはこれです。

1993年の「7党連立」で細川政権が誕生し、自民党が下野したとき。

1994年の「自社さ連立」で仇敵の自民党と社会党が手を握ったとき。

1999年の「自自公連立」で自民党が「悪魔」小沢一郎にひれ伏したとき。

2002年の「民由合併」で小沢一郎が民主党に加わったとき。

そして、2005年の郵政選挙、2009年の政権交代、2012年の安倍政権誕生。

…いずれも、報道をみて知った国民はびっくりし、理解に苦しみましたが、

永田町の中にいる当事者たちはなおさらに、

「まさか」と思うような展開に巻き込まれ、茫然自失となりました。

そうした「潮目」というのは、予測することが困難であり、

しかも、一夜にして変わるものです。

だから私は、「一寸先のことはわからない」ということだけが、

「ただひとつの真実」であると割り切り、諦めた上で、

それでも「負けない」投資法を開発することに徹しているのです。

それが、メルマガで公開している「時鳥トレード」です。

ただ、橋下市長の「復活劇」の伏線は大阪都構想の敗北直後からあり、

私もメルマガ第57号(5月24日発行)に大阪で聞いた話を書きましたが、

関係者の誰の予想よりも早く、橋下氏は動きました。

これ自体は、目先の相場への影響はあまり強くはありませんが、

秋以降、そして来年にかけての政権構想、経済政策について、

決定的な影響を及ぼす可能性がありますので、

詳しい分析はまた次号メルマガ(第61号:6月21日発行)で。

アベノミクスが来年も続くかどうか、

続くとして、果たしてどんな形になるのかを決定するくらい、

重要なファクターになる可能性のある話です。

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