「暗雲」ーみえないところでの暗闘。
ついに日経平均の連騰記録が途絶え、13連騰はなりませんでした。
とはいえ、「マグマ」の勢いはまだ強いです。
昨日後場には売り仕掛けとみられる動きがありましたが、
即座に20500円ラインを回復し、引けにかけて盛り返しました。
日経平均にはまだ上値余地がありますし、
「次の転機候補」までまだ時間がありますので、
「底」が固いとなれば、もう一度、上値をトライしにいくはずです。
そんなわけで、私はやはり様子見です。
ところで、年金機構の個人情報流出が大きく報じられています。
明らかに年金機構に標的を絞った「サイバー・アタック」です。
安倍政権にとっての「弱点」である、
厚労省=年金機構ラインが「狙われた」わけです。
機構側としては「担当者のミス」で済ませたいところでしょう。
また、どんなに最悪の事態でも厚労大臣の首は、
しっかりと守りたいというのが総理周辺の意向です。
最重要の「顧客データ」がネットワークに接続可能である時点で、
通常の組織(個人情報管理者)であればトップが責任をとるべきですが、
今回の件は「政治家」としての厚労大臣の政治的判断もかかわっています。
ウイルス感染が5月8日、警察への通報が19日、情報流出の確定が28日と、
感染の事実を知りながら、非常にゆっくりと対応で時間を費やす間に、
5月19日にはマイナンバー法案の衆院通過、29日には衆院厚労委員会と、
重要な政治日程をこなしてから、30、31日の休みをはさんで、
6月1日になってようやく情報流出の事実を発表したわけです。
意図的な「情報隠ぺい」といわれてもおかしくない話ではあります。
しかし、それでも安倍総理としては塩崎厚労大臣を守りたいところ。
同じく守り抜いた下村文相同様、大事な「お友達」という事情もありますが、
この6月に厚労大臣が更迭されれば政権への影響は途方もないものがあり、
また、株価にとってもかなり大きなネガティブ要因になりかねませんので、
第一次政権が年金問題から崩れていったトラウマ挽回のためにも、
安倍総理としてはなんとしても踏ん張らないといけません。
それにしても、まずい時に痛いところが発火したものです。
国会における野党の追及はそれほど怖くないとしても、
6月中に出るとされる「成長戦略」に対して、
路線の食い違う「アンチ安倍勢力」が必死に抵抗している最中です。
経産省主導で「成長戦略」をまとめようとする官邸側に対して、
財務省は同じく6月中に出す「財政健全化計画」で逆襲するつもりです。
詳しくは、次号メルマガ(第59号:6月7日発行)に書きますが、
6月1日に出た「財政健全化計画等に関する提言」で財務省側は、
ちょっと驚くような表現で政権(内閣府)の方針を批判しています。
アベノミクスを全力で推進したい官邸側(上げ潮路線)と、
政権の方針に危惧を有するアンチ安倍勢力(財政再建派)は、
鮮明にお互いを敵視し、場合によっては衝突コースに入りそうです。
この衝突が、アベノミクスにとってどの程度の打撃かわかりませんが、
少なくとも財務省側の意向が強く働くようになれば、
「第2の矢」の力はほとんど封殺されるはずです。
いわば、財務省ら「アンチ安倍勢力」からのリターン・マッチです。
「官邸vs財務省」、「政権vs与党内アンチ安倍」の戦いは、
今、第2のクライマックスにさしかかろうとしています。
私は「熱い夏」の到来までは「予測」していますが、
それ以降については判断を留保しているのは、
こうした政府部内の水面下の駆け引きの行方を見極めないと、
どういうふうになるかさっぱり判断がつかないからです。
無論、安倍政権は今、少なくとも支持率の上では十分に強く、
秋以降も政権を継続する公算が大ではありますが、
「政界は一寸先が闇」
であることは、いつ、どんな時にも頭に入れておきたいところです。
ところで、先に書いた「財政健全化計画等に関する建議」は、
「識者」の名を借りて、財務省がありったけの本音を述べたものです。
クリックしていただけば誰でも読めますので、
興味がある人は是非、参照していただきたいのですが、
「5年後の未来」についてかなり怖いことがはっきり書いてあります。
内閣府が掲げる「プライマリー・バランス黒字化」の目標について、
「できるはずがない」と真っ向から否定する内容であり、
さらにこれより困難な「財政収支黒字化」については、
ほとんどその手段がなくなりつつあることを浮かび上がらせています。
そして、「金利の上昇」と「歳出の増大」の同時進行など、
いくつかの条件が揃えば最悪の事態になりかねないことも、
この「建議」はわかりやすく示唆しています。
すなわち、「財政破綻の危機」です。
これを「財務省のプロパガンダ」だと一蹴するのも自由ですが、
かねてより、私が「大破綻時代」が到来する条件をメルマガに書いた、
そのとおりの内容が、恐ろしいほど正確にここで再現されています。
「5年後の未来」といえば、東京五輪が終わった少し後。
そこで、どんな未来がやってくるのか。
次号メルマガ(第59号:6月7日発行)では、
この財務省側が発表した「建議」に盛り込まれた数値データをもとに、
「何が起きるのか」「最悪の事態にどう対処するか」について、
あらためて考察してみたいと思います。
実際のところ、重要な情報は公に発表されているデータを読めば、
ほぼ分析できます。
どこをどのように読めば、「事実」がわかり、「未来」が予測できるのか。
それを知るためにも、是非、次号メルマガをご参照ください。
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