にわかに解散風が本格化してきました。

10月の閣僚スキャンダルの頃は、野党を黙らせる「ブラフ(脅し)」でしたが、

与野党の攻守逆転して以来、官邸側が流す解散情報には真剣味が感じられます。

昔からの読者の方々はご存じのとおり、私は、今年の春あたりからずっと、

「消費増税凍結解散」について書き、これをもとに相場展望を判断し、

それがこれまでの連戦先勝記録の根拠となってきました。

ある意味では、何があっても絶対に増税を強行したい財務省+与党守旧派と、

増税よりも株価(に連動した支持率)を最重要視する首相官邸側が、

虚虚実実の駆け引きで暗闘を繰り広げてきたのが、今年の政界模様です。

今年前半は、財務省側の意向が勝ち過ぎて緊縮財政となり、株価が大幅下落。

その後、「再度の消費増税への思惑」と、「支持率の底上げの希望」という、

財務省と官邸側との思惑が一致し、無茶苦茶な相場操縦によって、

株価が強引に引き上げられました。

その究極が、財務省出身の黒田日銀総裁の打ったサプライズ追加緩和であり、

これによって、ついに日経平均は17000円を突破するに至りましたが、

官邸と財務省の思惑が一致するのはここまでです。

おそらく、11月17日に出る7-9月期のGDP速報は相当に悪いことが予想され、

財務省や「バラ撒き派」の与党議員が「天候のせいだ」と言い訳したところで、

10%への増税がさらなる景気腰折れを招くのは必然である以上、

今後の株価(=支持率)のことを考えると、官邸にとっては危険な選択肢です。

日米の金融政策が相反することで、今後はどうやっても円安になりますが、

輸入物価高が地方経済を疲弊させれば、4月の統一地方選は大逆風が吹きます。

財務省にくっつく「バラ撒き派」議員たちは、増税したお金を地方にバラ撒き、

景気にカンフル剤を打てば、「4月までは持つ」とタカをくくっていますが、

海外勢が「悪性インフレ」あるいは「スタグフレーション」と判断すれば、

日本株はもう、何をどうやっても売り込まれてしまいます。

株価も支持率もいったん下方トレンドに入ったら最後、

安倍政権が残りの任期中に、これを巻き返す手段はほとんどありませんので、

来年秋の自民党総裁選後だろうが、再来年夏の衆参ダブル選挙だろうが、

おそらく安倍総理はなすすべもなく惨敗することになり、

生涯をかけての念願である「憲法改正」など夢のまた夢と消えることでしょう。

私がお会いする与党議員にも、「解散なんてできないよ」と言う人がいます。

しかし、株価が好調で、勝てる題目(増税凍結)があるうちに解散をしないと、

安倍政権も、アベノミクスも、来年のうちに終焉を迎える可能性があるのです。

現時点では、野党なんて怖くもなんともありませんが、

295選挙区に候補者を揃えた上で、選挙区調整が成立してしまえば、

与党自民党は、地すべり的に大敗北する可能性だってあります。

内閣総理大臣の最大の仕事は、解散総選挙のタイミングを選ぶことです。

そして、選挙は「やるべき時」にやるのではなく、「勝てる時」にやるものです。

「時は今」。

官邸がそう決断したとしても、不思議ではありません。

無論、総理にとっては財務省も与党守旧派も、野党をはるかに上回る強敵です。

彼らの抵抗次第では、思わぬことで政権が吹き飛びかねませんが、

実際、「安倍が増税をしない場合は・・・」と、臨時内閣の構想もあります。

増税延期はまた、「国債の信認」という核爆弾の弾薬庫の蓋を開けますので、

海外勢がそちらの方面から日本売りを仕掛けてくることも脅威です。

増税判断、解散決断には、どちらにせよ大きな困難が待っているのは間違いなく、

進も地獄、進まざるも地獄の切所ではありますが、

そこを戦い抜いて勝たねばならないのが、第96代安倍晋三内閣の使命です。

その決断次第で、株価にどんな影響があるかは、

前号メルマガ(29号:11月9日)で詳しく書きましたが、

総理の決断とともに、株価全体は瞬時に動きます。

私たち全投資家は、「総理の戦い」をじっと見守るしかありません。

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