昨日の日経平均はなんとか小幅反発。

とはいえ、今週始めから、上値も下値も切り下げ続けています。

すなわち、日経平均は短期的にゆるやかな下降トレンドの中にあるといってよく、

昨日は一時、19742.12円まで下げる場面がありました。

ところが、安くなったところで買いが入り、引けにかけては切り返しています。

週明けからの下降トレンドとはいうものの、銀行などのコア銘柄には資金が向かい、

あるいは出遅れ銘柄にも買いが入ってますから、長期的な「先高感」は継続中です。

日足チャートでみれば、昨日、長い下ヒゲつきの陽線となったこともあって、

今日あたりは、いったん上昇に向かう可能性もありますが、

2万円を大きく超える材料はありませんので、本格的に買われるのはまだ先でしょう。

しばらくは、この地合が続く可能性が最も高いと考えています。

ご存じのように私は、政治的ターゲット「2万円達成」をもって、

いったんは下げるはずと考え、ずっと「売り目線」で相場を眺めています。

しかし、なかなか下がりづらい展開が続くであろうことも指摘し、

エントリーするのであれば「小刻みな利確」が有効と申し上げていますが、

ある程度、上昇して上値が重くなったらさっと売り、さっと利確するのが、

やはりベストの戦略であるようです。(日経225先物の話です。念のため)

それにしても、不思議なチャートです。

「上げ三ヶ月(百日)、下げ三日」

「天井はとんがり、底はゆるやか」

と言われるように、長い上昇が続いた後に調整が入るとすれば、

たいていの場合、それは突然の暴落となってやってくるものです。

そして、落ちるところまだ落ちたら、しばらく「底練り」の期間を経て、

やがて再上昇がはじまるというのが、一般的な相場の値動きです。

しかし、今は、超がつくほどの高値圏にありがながら、急落する様子はないまま、

「高値圏での底練り」という珍しい現象が続いています。

いかんせん、「上下の値幅100円前後」という難しい展開になっています。

自信がなければ「休むも相場」で様子見も賢明な選択肢のひとつです。

年がら年じゅう相場を張っていてはロクなことになりません。

勝ったり負けたりを繰り返しているうち、アタマが熱くなってしまい、

つい、自信もないのに「希望」や「願望」だけで大きく張って身を滅ぼします。

(ベテランの方なら、どなたも一度や二度は経験があるのではないでしょうか)

アベノミクスでたっぷり儲けた「歴戦のつわもの」たちが次々と総手仕舞いをし、

「長い休み」入りを宣言して、「次の時代」のことを考え始めている一方で、

ふだんは冷静で賢明なはずの方が、「2万円相場」を見て舞い上がり、

「出遅れ株物色」だの「低位株投資」だの連日血眼になって銘柄を探したり、

あるいは証券会社の日本株ファンドなどに殺到して瞬時に売切れたりしてます。

あちこち「リスクをとるなら今だ」と勇ましい掛け声が聞こえてきますが、

私の考えでは、日経平均が8千円で「底練り」していた頃がリスクの取り時だったはず。

もう上がるだけ上がってしまい、あまり上値余地がなくなった頃になって、

「ハイリスク・ハイリターン」を煽るのはどうかと思います。

無論、これ以上の株価に合理性はないといっても、上昇する可能性は十分あります。

PKOはあと1年分は余力がありますし、政権側はあたらしい「玉」を仕込んでいます。

「集団心理」で本格的なバブル化したら、上値はこんなもんじゃありません。

なにせ、1989年バブルの最高値はPER60倍まで行きましたので、

仮に同じレベルの狂乱バブルなら、6~7万円のレベルに達することになります。

しかし、「可能性がある」ことと「必ずそうなる」ことは別物です。

とりわけ、実体経済から大きく乖離した形で高値圏にある時というのは、

何かひとつふたつ前提条件が変われば、株価は瞬時に暴落します。

主要国が「予測不能」の政変や戦争、大災害でその機能をマヒさせれば、

バブルは突然終わり、株価は一気に崩落してしまいます。

古今東西、大きく張っていた人がそういう局面に巻き込まれて、逃げ遅れ、

含み損を解消したり、損失を取り戻すために無理なナンピンを重ねてしまい、

すっかりアタマに血がのぼったまま、身を滅ぼしてしまうものです。

確かに安倍政権は一定程度の長期にわたって強い指導力を維持しそうですし、

もうバブル化しつつある日経平均の株価形成からは、合理性が失われていますので、

ここからもう一段、二段と大きく上昇する可能性があるのは事実ですが、

逆に、予測不能の事態で瞬時に崩落するリスクもあわせて高まっているのです。

そのように、下手をすれば身を滅ぼすようなリスクが存在している時に、

「買え買え」と煽るのは、私には到底できません。

・・・と、いつもながらの「慎重論」を述べた一方で、

さはさりながら、そのようなリスクが存在することを知った上で、

十分なリスクヘッジをして「上昇の可能性に賭ける」とおっしゃる方々を、

私は批判したり攻撃したりするつもりは毛頭ありません。

むしろ、ひとつの投資法として立派な見識であろうとも思います。

私は、年初のメルマガで、今年の上値として2万円までは合理性があると申し上げ、

その数値的な根拠をPERとEPSの両面からお示ししました。

しかし、年初の時点では、2万円から先(年央以降)がどうなるかは、

その時になってみないとわからないとして判断を保留していましたが、

「外部要因」「政権の求心力」「政府の次の玉」などがみえてきましたので、

「上昇してバブル化」のシナリオも考慮のうちに入れるようになっています。

それゆえ、ここ最近の水面下の政治、経済情報を織り込んだ上で、

●「次の上昇波動」があるとして、それはいつか?

●上昇するとしたら、どの程度のものがあり得るか?

●ここから先の上昇相場にのる「安心、安全、堅実」な戦略はあるか?

といったことを、次号メルマガ(第52号:4月19日発行)で分析します。

このまま「ベスト・シナリオ」のとおりに進むならば、

しばらくは「いい時代」が続き、そしてある日突然、恐ろしいことになると思います。

その激動の時代に、読者の皆様が先々の難を避け、

可能な限りチャンスを掴んでいただくことが、私の願いです。

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※本ブログは国際情勢、政治、経済に関する情報分析と、私自身の相場分析、トレード戦略をお伝えすることが目的であり、読者の皆様への投資助言、推奨のようなことは一切行っておりません。また、記事の内容には万全を期していますが、市場では常に「想定外」の事柄が発生する以上、その正確性を保証するものではありません。さらにいえば、相場予測が正しくても、それで勝てるとは限りません。読者の皆様が、本ブログの記事を参考にトレードなさり、損失を出されることがあっても、筆者はいかなる意味でも責任を負いかねますことをご承知おきください。いずれにせよ、投資においては自己責任が絶対の原則ですから、情報武装、知識武装、リスクヘッジに万全を期されることをお勧めします。皆様が大きな富をつかまれることを、心よりお祈り申し上げます。

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