先週金曜日の日経平均は、久々の大きな下げ。

主な原因は外部環境の悪化ですが、その下げ方に「おや?」と思った方も多いでしょう。

寄付、前場、お昼時、後場と、まんべんなくほぼ一直線に下げ、

一度も反発する場面はありませんでした。最近では珍しいことです。

「1%下げれば、PKOが出動する」と「期待」し、「安心」していた方は、

背筋にちょっと冷たいものが走ったのではないでしょうか。

PKOに期待して買った方々には「梯子を外された」という思いでしょう。

ご存じのように、私はメディアも評論家も証券会社も信じていませんが、

「政府」がやることもこれっぽっちも信じていません。

「政府」を構成する永田町の政治家や霞が関の役人たちを知り抜いていますから、

彼らが何を基準に考え、行動しているかを分析すればするほど、

政府が呼号する方向に向かっての投資は危険が潜んでいると考えているからです。

「デフレからインフレへ」といった「時代の趨勢」を読むのであればともかく、

政府が人為的にやる施策は、いつだってまず「政府自身の利益」が優先されますから、

表に掲げてある「お題目」には常にウラがあり、信じてはいけないのです。

そこでは、政治家の権力闘争、役人の保身が最優先される一方で、

国民が不利益をこうむり、実質的に「騙された」と思うことには極めて鈍感です。

「消費税増税分は全額社会福祉にあてます」というのは真っ赤な大嘘で、

増税分は公共事業、軍拡、政治家の給料に化けてしまいましたし、

消費増税のかわりに約束した「国会議員大幅カット」はいつのまにやら知らん顔。

薬害エイズ問題、福島原発事故、原発再稼働問題など、

政府が表で言うことと実際にやっていることは常に食い違っていますが、

ただひとつ一貫しているのは「政府(政治家、役人)自身の利益」だけは、

何が何でも確保された上で「お題目」「きれいごと」が述べられることです。

この株高政策についても同様で、「国民が景気回復を実感できるように」と、

安倍総理がいくら「お題目」「きれいごと」を唱えたところで、

その実態は「選挙対策の人気取り」にPKOを投入してきたのは明らかです。

もっとも、「政府自身の利益」も確保できずに自滅した民主党政権よりは、

安倍内閣はクレバーに振る舞っていますし、結果として経済は動いていますので、

私たちは政府を批判するよりも、「そんなものだ」と思って行動し、

この無茶苦茶な相場を生き残り、利益を出すことを考えたほうが利口です。

私が3月中旬頃からずっと「ターゲット日経平均2万円達成」からの反落を狙い、

統一地方選がらみの相場の「上昇の終末点」を待ち構えていたのはそれです。

政府が「2万円タッチ」を目指したのには、特定の政治的意図がありましたが、

逆にいえば政治的目的さえ遂げてしまえば、あとはどうなるかわかりません。

また、「政府がやることが全てうまく行くとは限らない」ものであり、

「2万円タッチ」が発生するかどうかは「時の運」にかかる部分も大きい一方で、

「2万円タッチ」の後の上昇は、政治的理由からも、株価位置からも、

「集団心理によるバブル化」以外の理由では、まずないであろうというのが、

この上昇局面で私が一貫してとってきた見立てでありました。

結果として、数分間の「2万円タッチ」を達成した後は、

日経平均は短期的に「ゆるやかな下降トレンド」に入っており、

外部要因が悪化したのにPKOが出動しなかった金曜日は久々に大きく下げました。

私の狙いは決して間違っていなかったわけです。

古くからの読者の方はご存じのように、たとえば今年に入ってからだけでも、

私は「1月の16500円前後での反発」、「3月の18870円前後での調整」を、

ほぼ数十円の誤差で数週間前から言い当て、勝利していますが、これらは全て、

「あるべき株価位置」「政治的意図」「政策的な玉」「外部要因」を加味し、

分析するという手法によって導き出されたものです。

その際、「政治的意図」と「政策的な玉」の分析については、

決して政府が表で言うことを、額面通りに受け取っていないこともご存じのとおり。

たぶん、永田町で棲息して養われた「嗅覚」があるおかげでしょうが、

少なくとも、メディアや評論家諸氏よりは、これまでの判断は正確だったと思います。

(あまり「自画自賛」すると、また、的外れな批判を招くでしょうが・・・)

今後の相場展開についてはメルマガ第52号(4月19日発行)に書きましたので、

興味があるという方は参考になさってください。

「株価位置」だけをみるのであれば当然にもっと下がっていいはずなのですが、

統一地方選はまだ続きますので、PKOをどこまでセーブするかまだわかりませんし、

中国の預金準備率引き下げや、FRB利上げ先送り「期待」、日銀追加緩和「期待」など、

上昇の材料もまた、同時に存在していることも事実です。

また、メルマガ52号にも書きましたが、PKOがチャートを崩してしまっており、

どうにも調子が狂うおかしな相場展開が続いています。

それゆえ、昨年までのように「安心、安全、堅実」ゾーンの宣言はできませんので、

慎重に、賢明に、生き残りを優先して行動されるようお勧めいたします。

いずれにせよ、政府が本当に「梯子を外してきた」のであれば重大な変化です。

本日の値動きを、しっかり見極めたいと思います。

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