昨日の日経平均は「16600-17100円レンジ」をあっさり上抜き、

一気に352.01円も暴騰する「大きな動き」となりました。

ナイトセッションでは、一時、17500円に迫る上昇を示しています。

明日のECB理事会を前に、いろいろな「思惑」が渦巻くことが警戒されましたが、

強力な緩和を「確約」するいくつもの要人発言が伝わったことで、

市場はひと足早く「緩和後」の相場に向けて動き始めました。

外部要因に帰因する「冬の嵐」が去ってしまえば、

国内の政策要因に期待する「玉」への思惑もあって、

日経平均株価は「居心地のいい水準」の「ど真ん中」を目指すのは当然です。

このあたりは、前号メルマガ(第39号:1月18日発行)で分析したとおり。

ただ、私としてはやや意外だったのは、17100円台から「日銀プレー」の噂が出たこと。

多くの投資家が、「この水準から日銀の買いは入らない」とタカをくくり、

「戻り売り」のポジションをとっていたところに意表を突かれたため、

あわてて「売り」を解除する動きが広がったことも、昨日の上げの要因です。

市場は騙し合い、出し抜き合い、殺し合いの世界ですが、

今や日銀や年金の公的資金がその「殺し合い」の最前線で刀をふるっています。

日銀が無制限に刷りまくる日本円が、国債、株、不動産(リート)を無制限に買えば、

よほど外部要因が荒れていない限り、相場が上昇するのは当然です。

「冬の嵐が去った」とみた昨日午前を狙い澄まして、「日銀プレー」が出現したことは、

相場をひっくり返す「意表を突く動き」としてのインパクトは十分ではありました。

こういうことがあるから、私は「予測」に乗らないのです。

「安心、安全、堅実」なゾーンに達するまでは決して動かないのは、

「突発的な事件」や「意表を突く動き」に遭遇するリスクを極限まで避けるためです。

それゆえ、「冬の嵐が去った」と喜んで、買いを入れるつもりもありません。

最後の最後まで、何があるかわからないものです。

前号メルマガではギリシャ情勢について書いていますが、

私が危惧する事態が発生すれば、昨日の上昇は瞬時に打ち消され、

日経平均も一気に「底割れの危機」まで引き戻されます。

それが発生する確率が低いとはいっても、ゼロではない限りやはり動きません。

相場が上に行くか、下に行くかはどちらでもいいのです。

とにもかくにも「生き残る」ことを優先し、「儲け損ない」は気にしません。

石橋を叩いて、叩いて、叩き壊してまでも、「損をする」リスクを避けることが、

結局はリターンが大きくなり、心理的にも「幸せな投資家」になれると信じるからです。

上がったら上がったで、下がったら下がったで、「次のチャンス」はまた来ますので、

焦る必要も、慌てる必要も、諦める必要もないのです。

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