「ツー・ストライク」。
先週の金曜日の終値は14532.51円(ほぼ安値引け)。
これに対して、昨日、月曜日の終値は15111.23(高値引け)。
その差は578.72円。
上にも下にも凄まじい力で振り回される「鉄火場」相場です。
昨日の記録的な値幅の大上昇をもって、
先週、「買い場ではあります。」と書いた私の見立ては正しかったことになりますが、
あくまでもそれは、結果論です。
昨日の上昇はNY市場の反発と、官邸の危機管理に救われた「ラッキー」によるものです。
歯車がひとつ狂えば、あのポイントからさらに下値模索もありました。
この上下動を見てもわかるように、安心でも、安全でも、堅実でもありませんので、
私の「時鳥トレード」では、エントリーを見送るしかありません。
確かに、官邸の危機管理は見事ではありました。
小渕、松島両大臣を即座に辞任させて「早期の幕引き」をはかり、
それと同時にロンドン経由で消費増税延期を示唆して外資の買いを誘い、
さらに外務省幹部の平壌派遣で、拉致問題での進展に期待を持たせと、
わずか半日のうちに、逆風を跳ね返す強烈な「玉」を相次いで投入。
この流れを、ヘッジファンドが加速させたため、
売り方がパニックになって一斉に買い戻し、想定外の高値へとつながりました。
ただし、永田町では確実に「潮目」が変わりつつあります。
二人の重要閣僚の辞任ということは、野球でいえばツー・ストライク。
野党は今後、炎上中のもう一人、江渡防衛大臣の政治資金問題に焦点を絞り、
委員会審議や不信任、問責で責め立てるつもりです。
問題は、来年の通常国会のキーマンが、江渡防相であることです。
新安保法制、日米新ガイドライン等、「自衛隊が海外で戦うケース」について、
これからタフで長い審議が始まるというのに、肝心の大臣が脛に傷を持っていては、
まともな法案審議ができないばかりか、「約束相手」の米国を怒らせかねません。
かといって、防衛大臣を更迭すればスリー・ストライク。アウト(退陣)の危機です。
私としては、この件に関しては、わあわあ言っている野党の人々よりも、
深く静かに進行する自民党内の権力抗争のほうが気になります。
昨日、ある閣僚経験者の大物が、「潮目は変わった」とつぶやきました。
9月に、石破、谷垣両氏を封じ込めたことで、現時点では有力対抗馬がなく、
したがって、「安倍おろし」の気配も現時点では見当たりませんが、
支持率も低下し、国会対策にもまごつく「弱い総理」が、
沖縄知事選、福島知事選、統一地方選と連続で負けるようなことになれば、
しぜんと「次の男」の話が浮上してきます。
その流れ次第では、アベノミクスの長期上昇トレンドにも疑問符がつきますので、
私は昨日からの大反発局面を、あまり安心して眺めてはおりません。
無論、メルマガで書いたように、安倍内閣にはまだ「奥の手」がありますが、
それを出せるかどうかはわからず、それに期待するのはやはり丁半博打です。
先週の私の見立てなどを参考に、「買い場」での買いを入れたという方も、
相場をめぐる諸々の環境が、一変してしまったことを肝に銘じて、
適宜、適切に利益を確定なさったほうがよいとは思います(投資はいつも自己責任ですが)。
私は、本格的な玉が出てくるまでに、もう一度、下落があると思っていますが、
もし、このまま上昇してくれるのなら、それはそれで好都合です。
内外ともに、不安要因を抱えたままの上昇であれば、いつか力尽き、下落します。
下で待ち伏せをして上昇局面での利益をとっても、
上で待ち伏せをして下落局面での利益をとっても、
どちらも、利益が出るのは同じです。
むしろ、メルマガ(第26号:10月19日発行)で書いたように、
今回の下値の判定は、様々な一時的要因でやや難しいところがありますが、
今月末に高値圏に達した場合、「上の異常値」の判定はイージーです。
相場が上に行こうが、下に行こうが、一日に何百円乱高下しようか関係ありません。
自分が「安心、安全、堅実」と考えるゾーンに達するのをひたすら「待つ」戦略に、
やはり、決して揺るぎはありません。
いずれ、遅かれ早かれ、そのチャンスは必ず来るのですから、
別に焦って丁半博打に手を出す必要はないのです。
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