武漢肺炎と「米中対決」。安倍政権の一手。
(午前1時の更新です)
昨日の日経平均は反発し、
2万3千円ラインを回復しました。
一昨日の引けにかけての戻りが、
そのまま昨日も継続した形で、
押し目を拾う動きが続きました。
武漢肺炎を封じ込めるために、
中国各地で行われる「封鎖」などが、
「経済災害」になりつつあるため、
中国政府が機動的に対処して、
巨大な経済対策に手をつけたことが、
下落の流れを食い止めています。
武漢肺炎の感染自体は拡大しており、
こちらは止まる気配がみえませんが、
治療の体制が整いつつあるとされる、
湖北省以外の地域での致死率は、
さほど酷い状況でもないようですし、
何より先進国での致死率をみる限り、
普通のインフルエンザと比べても、
それほど大騒ぎするレベルかどうか、
冷静になって考える人も増えています。
前号メルマガ(第302号:2月2日)では、
混乱がおさまっていく条件について、
いくつか指摘しているところですが、
治療法や対処策が確立されるなら、
騒動は当然、下火に向かっていきます。
無論、だからといって安心するには、
まだ少し状況にあるのは確かです。
今回の件は疫病それ自体よりも、
「封じ込め」の副作用として、
実体経済に悪影響が及ぶことによる、
「経済災害」の方が市場の脅威ですし、
また、数々の人的ミスの結果としての、
「政治リスク」の顕在化の有無も、
大きな懸念ポイントであることは、
前号メルマガでも書いた通りです。
これら懸念される2つの脅威について、
習近平政権は十分以上に認識しており、
尋常ならざる経済対策を発動したり、
異例の形で謝罪と改善に言及したりと、
極めて迅速かつ大胆に動いていますが、
それらの真の効果はいかほどかは、
よく見極めていく必要があります。
特に「政治リスク」の方については、
米国等が関与できる局面も多いため、
折からの「米中対決」も踏まえて、
大きな流れの中で考えるべきことを、
前号メルマガでも触れたところです。
それから。
武漢肺炎に絡む報道が溢れたことで、
日本の政界はまた違う空気になり、
通常国会とそれ以降の政局シナリオが、
1月とは大きく異なってきています。
また、疫病関連のニュースの影で、
安倍内閣が打った目立たない一手が、
かなり決定的に政権と与党を助け、
窮地から逃れた可能性も浮上し、
永田町の雰囲気は少し変化しています。
地味ながらのけぞるような一手であり、
野党側のオウンゴールともあいまって、
政界の空気を確実に変化させています。
今週からの本予算の衆院審議をみる限り、
ゲームのルールそのものが変わったような、
なんとも不思議な感じもするところです。
次号メルマガ(第303号:2月9日)では、
こうした国内情勢の変化も織り込んで、
この先の展望を分析する予定です。
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