世界情勢のもうひとつの波乱要因。
(午前0時半の更新です)
昨日の日経平均は大きく反落。
イランが米軍基地を攻撃したニュースが、
朝一番に飛び込んできた衝撃を受けて、
日経平均は一時600円超という、
目の覚めるような暴落劇を演じました。
今回のイランからのミサイル攻撃は、
ソレイマニ氏暗殺への「報復」ですが、
イランの「報復」は不可避であり、
仮に「報復」をしなかっとしても、
事態は相当に流動化していたことは、
前号メルマガ(第298号:1月5日)で、
その背景とともに分析した通りですので、
ここで悪材料が飛び出すこと自体は、
さほど不思議なことでもないといえます。
また「高値圏」で一度、値を戻した後に、
悪材料が出た際の市場の反応なども、
前号メルマガで書いた通りの動きであり、
昨日がボーナスポイントとなった人も、
かなりおられるのではないでしょうか。
もっとも、2波にわたる攻撃の後、
イランも米国も抑制的な反応を示し、
条件反射的な全面戦争が回避されたのは、
下落の流れを一時的に止めています。
イランは「戦争は意図しない」として、
それ以降の攻撃を抑制していますし、
米国側もトランプ演説を取りやめて、
精査と熟慮の姿勢を示しています。
こうした両国の反応を受けて、
ドル円は若干、円安に戻していますし、
日経平均も多少、リバウンドしています。
しかし、相場環境の好転を示すほどの、
十分な戻りであるともいえません。
米軍の再度の「報復」がどうなるのか、
周辺国に飛び火する恐れはないのかなど、
まだまだ重大な点が全く不透明なまま、
全てが霧の中で推移しているといえます。
国内政局的にも今回のイランの「報復」は、
安倍政権を追い詰めつつあるといえます。
安倍総理は来週に予定していた中東歴訪を、
中止せざるを得なくなっていますが、
得意とする「外交戦」で点数を稼ぎ、
政権の延命を図るというシナリオにも、
かなり狂いが生じてきたといえます。
これが日経平均にどう影響するか、
次号メルマガ(第299号:1月12日)で、
最新情報とともに分析する予定です。
それから。
世界の目が中東に集まっていますが、
年が明けるまで世界情勢の焦点は、
米国と中国及び北朝鮮の関係であり、
東アジアが主戦場だったはずです。
そして、東アジアを舞台にした葛藤は、
別に終わっても解決されてもいません。
昨日まで北朝鮮の暴発がなかったのは、
ひとまずよかったとはいえますが、
台湾や香港の情勢はまだまだこれから。
これらについても最新情報とともに、
次号メルマガで分析する予定です。
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