(午前0時の更新です)

昨日の日経平均は上昇の後、失速。

先週末からの米国株高という「追い風」もあり、

寄り付きこそそれなりに上昇しましたが、

思ったほどの勢いがありませんでした。

しかし、後場にかけては大きく失速。

米国の「長期金利」の変動が意識されたこと、

トランプ政権が「報復関税」に言及したことなどで、

日本市場の市場参加者の心理は好転するどころか、

ふたたび「冷や水」が浴びせられた格好です。

わけても「為替」が円高方向に振れたのは、

日経平均にとっては大きな痛手といえます。

日銀などのETF買いが失速したこともあり、

日経平均は先物主導で売り込まれてしまいました。

やはり、なかなか相場が落ち着いてきません。

「金利」や「為替」が落ち着かないだけでなく、

トランプ政権による「攪乱」も続いています。

前号メルマガ(第199号:2月11日)では、

主に日本の「経常黒字の拡大」という材料から、

再び「円高」に振れる可能性に言及しましたが、

昨日飛び込んできた、トランプ大統領による、

貿易政策に関する「殺人」発言も同じ点に着目し、

日本の「対米黒字」に噛みついたものといえます。

日本の黒字を「目の敵」にするなど、

ひと世代前で頭が止まっているような話ですが、

安倍総理は何度も十分に説得をしてきたことです。

それゆえに日米蜜月関係に安心していた安倍政権は、

藪から棒に大きなショックを食らった形ですが、

しかしそれにしても大統領の発言は意味不明であり、

支離滅裂であり少々、分裂気味ですらあります。

ともあれ大統領の言う「報復関税」がどんなものか、

あるいは「通貨政策」まで意識されてのことなのか、

日本政府も真意を図りかねているところのようです。

もし、米国が「関税」や「為替」を武器にして、

強烈な「保護貿易」に舵を切るようなら、

日経平均には大きな「波乱」要素になるどころか、

今後の再上昇の可能性を摘み取りかねない話です。

もっとも「関税」は実施に時間がかかる話であり、

日本政府による根回しや説得の余地もありますが、

「為替」はすぐに反応し、不安定になります。

そしてその「為替」こそ、先週の日本市場にとって、

ある種の「救い」といえる材料だっただけに、

昨日夕方から1ドル107円台に突入したことは、

日経平均にとって相当の「重石」になっています。

その他、国会の同意人事は今日、「第1陣」が終わり、

明日以降、「第2弾」へと移行していきますが、

結局のところ「日銀副総裁」に誰が提示されるのか、

また次期体制下で金融政策をどうするつもりなのかは、

特に「出口戦略」との関連で要注意事項のひとつです。

こうしたこともあって相場はまだ落ち着かず、

日経平均は安値を試しそうな気配となっています。

前号メルマガで警戒した通り、

売り圧力が整理されるには時間がかかるため、

日柄的にもしばらく「荒い値動」きが続き、

「上下に翻弄」されるのは止むを得ません。

もっとも、いったん下が試された上で、

「下値は固い」と判断されるようであれば、

反転のきっかけになる可能性もありますので、

今日あたりどこまで下げてくるのかは、

慎重に見極めていきたいところではあります。

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