「トランプ一過」の秋晴れが広がる中、

昨日の日経平均は389.25円の大幅高。

トランプ大統領の訪日の首尾は上々と受け取られ、

昨日は日経平均はバブル以来の「戻り高値」をクリア。

その後も利確の売りが出るどころか、

一気に23000円に近接する水準まで上昇しました。

依然として北朝鮮情勢はリスク要因です。

このアジア歴訪でトランプ氏が何を言い出すか、

いましばらく「注意報」は継続中といえる状況ですが、

韓国でも目立った「不規則発言」はなかったようです。

また、トランプ氏のアジア歴訪にあわせるように、

北朝鮮が核実験を準備中という報道もありますが、

こうした金正恩氏の挑発を封じ込めるべく、

米空母3隻が展開し、睨みを効かせています。

無論、それでも北朝鮮側が挑発行為をするなら、

一挙に情勢が流動化する危険はありますが、

米軍は日本や韓国だけでなく、

インドやオーストラリアとも緊密に連携し、

軍事的圧力を強めていますし、

アジア歴訪の「本番」であるこの後の中国訪問で、

北朝鮮の「処分」が決まるとみられている以上、

金正恩氏も慎重にならざるを得ないと思われます。

依然として最高度の軍事的緊張が続いていますが、

形勢的には米軍がその力をアピールする一方で

北朝鮮側が行動を自重する格好になっており、

まだ「対話」のステージにあるといえます。

こうして一時的に「波静か」になっているところに、

日本企業の「稼ぐ力」はさらに伸びており、

日経平均はまだ「過熱圏」ともいえないレベルです。

急上昇した分、適度な調整はあってしかるべきですが、

日経平均の「上値余地」はもっと上までありますから、

少なともここまでの上昇局面には、

とりたてて異常な感じはみられません。

安倍政権の「玉」への「期待」もあります。

前号メルマガ(第185号:11月5日)に書いたように、

安倍政権は先月の衆院選に前後して、

経済・財政面で非常に重要な政策転換を行っています。

今後、経済政策で「最後の総出動」を敢行して、

「本懐」である改憲を成就する構えとみられますが、

そのための「玉」もたくさん準備中です。

具体的な「玉」が出るかどうかはともかくとして、

少なくとも「玉」への「期待」が続く限りは、

突発的な事象に振り回されることがあっても、

上昇圧力が続くものとみられます。

今後、具体的な北朝鮮の「処分」案が決まり、

トランプ氏が帰国する11月中旬以降、

米朝、あるいは中ロの要人達の言動によって、

振り回されることはあるかもしれませんが、

全般的にみて日本企業の「底力」が、

随分、様変わりしてきていることは、

日経平均の安心材料と考えて良さそうです。

この点はまた次号メルマガ(第186号:11月12日)で。

もっとも。

ここでちょっと先の話をしますが、

安倍政権が「玉」を「総出動」するのはよいとして、

それがもたらす副作用のほうも気になります。

株価のほうはまだまだバブルとはいえませんが、

国債はずっとバブルといってよい状況が続いており、

ここからどうやって出口を迎え、軟着陸をするのか、

政府・与党の人々も不安を隠そうとはしていません。

「黒田総裁続投論」は問題処理を先送りしたいことと、

他に解決策が見出せないという事情が背景にあります。

しかし後戻りできないところに来てしまった以上、

いつかどこかで帳尻を合わせる必要が出てきます。

「ソフトランディング」ができるならできるで、

それを可能とするシナリオを示す必要がありますが、

黒田総裁らはいまだに「時期尚早」として、

公の場で議論を開始することすら拒否しています。

近未来の「財政破綻」や「信用危機」の有無は、

全ての投資家にとって最大限に気がかりな事柄です。

最近の安倍政権の「政策転換」を受け、

また政府等の最新の試算などを再点検して、

次号メルマガ(第186号:11月12日)のなかで、

2020年代に起こり得る「危機」の深刻度や、

それが回避される可能性について改めて分析します。

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