(午前1時の更新です)

日本市場は暗転。

昨日のエントリーでも申し上げた通り、

為替が1ドル115円をキープしてさえいれば、

日経平均は再上昇の可能性が十分あると思われますが、

昨日は朝方から仕掛け的な円高が進行してしまい、

瞬間的に113円を記録するに至っています。

これでは日経平均の上昇は無理です。

「ベスト・シナリオ」の前提条件に疑問符がつき、

楽観論が急速に後退しつつあります。

もっとも、これは当然に想定されるべきリスクでした。

トランプ政権下で「為替」と「貿易政策」がどうなるかは、

年初からのメルマガでくどいくらい申し上げてきた通り、

日経平均の上昇を阻害しかねないリスク要因です。

トランプ・ラリーに連動しての日本市場の上昇は、

いつ不意に終わるかわからないリスクがあると、

一連のメルマガで警戒してきたのはそのためです。

実際、一昨日のトランプ氏の記者会見の内容は、

以前からの発言の繰り返しでしかなく、

特に新しい材料はひとつもありませんでしたが、

為替相場の急変に誘発される形で「危機」感が煽られ、

投資家の心理が急速に冷え込むことになりました。

日本政府の中枢にも動揺が走ったようです。

安倍総理の訪米等の努力によって、

日本企業が「トランプ砲」のターゲットとなることを防ぎ、

日本市場の失速を防ぐことが政権の最優先課題といえますが、

やはりそう甘くはないことを再認識させられたようです。

突如として為替が動き、

前触れもなく特定国家や個別企業が標的となるのは、

「トランプというリスク」の特徴でもあります。

当面、トランプ氏が中国を敵視し、

メキシコに辛く当たるのは間違いないと思いますが、

日本が巻き添えを食うならば非常に迷惑な話です。

もし、トランプ氏の日本についての認識が、

「軍事的には同盟国だが、経済的にはライバル」

というものであれば、彼の頭は80年代のままというわけですが、

その程度の認識の人物が大統領に選ばれた事実そのものが、

やはり日本にとっても大きなリスク要因です。

安倍政権が解散どころではなくなり、

外交によって「トランプというリスク」から、

日本経済をきっちり守ることに集中すべしというのも、

よく理解できる話ではあります。

次号メルマガ(第143号:1月15日)でも触れますが、

外交に関してはちょっと厄介な新問題も浮上しています。

1月下旬の安倍政権はまた、

外交上の「剣が峰」に立たされることになりそうです。

おそらくはそれら外交努力の成否が日本市場と直結し、

日経平均の推移に関する重要な決定要因になるでしょう。

詳しくはまた次号メルマガで。

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