トランプとプーチンは「普通の人」ではない。
(午前0時の更新です)
昨日の日経平均には利確の波。
さすがにこれだけ短期間に急上昇すれば、
どこかで一休みしたい投資家も多いもの。
ただ、前場の下落分を、後場、そして引けにかけて、
じわじわと切り返してきた姿は力強さを感じます。
売買代金も膨らんで来ており、
何より金融セクターが強いのは、
トランプ政権への「期待」の強さを物語ります。
ともあれ、アベノミクスが「手詰まり」となり、
日本経済が行き詰まりかけたところの「神風」です。
しかも、米国とロシアという2陣の「神風」が、
揃って年末年始に吹くことになれば、
安倍政権は政治的にも経済的にも力を取り戻します。
トランプ氏が「期待」通りの「玉」を出し、
プーチン氏との間で交渉が妥結すれば、
安倍総理は良いお正月を迎えられるはずです。
ですが。
トランプ氏もプーチン氏も「普通の人」ではありません。
共和党人脈に依存するしかないトランプ氏は、
オーソドックスな共和党型政治を行って、
堅実に政権を運営することが「期待」されていますが、
米国から伝わってくる人事案の中には、
ちょっと首を傾げたくなるものもあります。
不介入主義のはずのトランプ政権の閣僚候補に、
なぜ、暴れん坊ボルトン氏の名前が挙がるのかなど、
即座に理解も消化もできない話がいくつかあります。
きっと、あまり本人達も理解も消化もしていないのでしょう。
いずれにせよ、トランプ政権というものが、
本当に政策的に整合性のある形で組まれるかどうか、
まだ現時点で判断する材料がないことは間違いありません。
現在はイケイケドンドンの「期待」だけで持ちますが、
実際の組閣作業で明らかにバラバラのチームが出現してくれば、
株価が高値圏にあるだけにそれだけでリスク要因です。
また、プーチン大統領もまた、
手の内を見せない「厄介な指導者」ではあります。
検察も司法もプーチン氏の支配下にあることは、
誰もが知っているロシアの真実ですが、
なぜ、この時期に対日経済協力担当相に疑獄が出るのか、
日本政府としても大いに戸惑う話ではあります。
ロシアを信用して脳天気な交渉をしているうちに、
決定的なところで梯子を外されてしまい、
文字通り国が滅んだ事例は古来、幾多もあります。
おそらく、日ロ交渉は今、クリティカルな局面にあり、
双方が存亡をかけて最後の詰めを行っているはずですが、
いずれにせよ、歴史的にロシアとの交渉は厄介とされる上に、
プーチン氏の輪をかけた難しさは肝に銘じるべきでしょう。
「想定外」の「神風」が吹いてきて、
これまでになかった希望の芽も見えてきましたが、
ひとたび梯子を外されることになったなら、
「期待」で上昇したぶんはきっちり取り返されます。
トランプ氏とプーチン氏は「普通の人」ではないことは、
今後、あらゆる局面において意識すべき要素ですし、
この2人に日本の命運の多くの部分を握られていることも、
悲しいかな否定できない事実です。
この状況に安倍政権がどう対処しようとするのか。
私が知り得る限りの情報を、
また、次号メルマガ(第135号:11月20日)に書きます。
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