世界経済は下り坂。下った先にチャンスあり。
そして、米国FRBも動かず。
黒田総裁が動かなかったため、
日本市場が「期待」剥落で下落したこととは異なり、
イエレン議長の利上げ見送りは、
米国市場に「安心」を広げて上昇を招きました。
ほぼ、セオリー通りの動きです。
これで、G20の国際合意に基づく、
日米欧中の金融当局の動きがひとまず出揃いました。
昨年から利上げをしたくて仕方ないイエレン議長が、
利上げを先送りせざるを得ない状況に追い込まれたほど、
世界経済は悪化しつつあります。
日本政府は参議院選(衆参ダブル?)を控えて、
日銀が「次の一手」を温存しているとみられる他、
政府も次第に「玉」のラインナップを揃えつつあり、
この「世界経済の下り坂」に対抗しようとしています。
「増税凍結」に踏み切るためのセレモニーと思われる、
「国際経済分析会合」が脈絡なく開かれたり、
前号メルマガ(第99号:3月13日発行)で書いた、
政府の「大玉」が与党内で具体的な話として浮上したりと、
全力で経済と株価を維持する動きが顕著になりました。
政府・日銀にはまだ「玉」があり、
「玉」への「期待」で風が吹く間は、
日経平均への上昇圧力として作用すると思われますし、
日経平均の上値余地はまだまだありますが、
しかし、政府・日銀のこの動きそのものが、
世界経済が下り坂であることを雄弁に物語っています。
数週間、数か月しか効果の持続しない「玉」ではなく、
根本的に経済政策を転換させるほどの決断をしない限り、
今月から始まった「雪解け」もいつか終わりを迎えます。
私としては、まだ「冬ごもり」が続きそうです。
もっとも、「冬ごもり」をするのは、
その先に春が来るからです。
特に、新興国や資源国の市場というのは、
モノポリー経済の宿命で上下に激しく揺れますが、
しかし、そこには一定のリズムがあります。
政治的、軍事的、社会的に安定し、
人口と若年労働者の継続的な増加が見込まれる資源国なら、
やがて、世界経済の下り坂が上昇に転じた後、
数年もあれば、かなり高い確率で高騰するものと思われます。
世界経済は下り坂ですが、
下った先にチャンスがあります。
例えば、十分に景気の「底」がやってきた頃、
前途有望な国に投資してほったらかしにしておけば、
10年もたたないうちに、労せずして資産は倍増するものですが、
そういうチャンスは周期的、定期的にやってくるものです。
そう考えて投資家目線で見るとき、
新興国や資源国が大きな「不安」に巻き込まれ、
過剰なくらい売り叩かれるのは「チャンス」を意味します。
だからこそ、私は昨年からのメルマガで準備を続けてきましたが、
次号メルマガ(第100号:3月20日発行)では、
私が考えている具体的な投資対象国や、
その戦略、勝算などを書いてみたいと思います。
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