昨日の日経平均は一時17800円台を回復。

米国や中国の指標など、些細な材料がきっかけとなって乱高下しているのを、

私はただただ冷静な「観察者」の立場となって注視していますが、

基本的に今の動きに法則性はなく、予測困難であると考えております。

一応、当初の見立てで「買い場」としたゾーンでの買い玉は、

昨日までの上昇を持ってすべてきれいに救済され、

じっと保持していたならば、利益を出していたことにはなりますが、

それはある意味、「運が良かった」からと考えています。

チャイナ・ショックの破裂と米国利上げをめぐる思惑が最大の理由ですが、

特に、9月29日の「奇襲攻撃」による大暴落以来、

相場の見通しは極めて不透明となり、皆がナーバスになっています。

前号メルマガで書いたように、「当たり前」の展開なら今ごろは、

18000円ラインを軸にして「次の転機候補日」に備えていたと思いますが、

あれほど強い衝撃の「奇襲攻撃」で相場が壊れてしまい、

誰もが「次の下落」を心配している状況ですので、

17500円ラインという極めて低い株価位置でもって、

そろりと次の出方を伺っているという恰好になっています。

現時点では、右を向いても左を向いてもすっかり情勢が不透明です。

8月中旬頃までのメルマガやブログを思い出していただけば、

当時は外部要因(米国市場の強さと中国の計画的調整)も、

国内要因(アベノミクスによる株高政策)も確固たるものがあり、

これに基づいて「20950~21250円を上限とする上昇局面」と、

私は確固としてその「天井」を言い当てることができましたが、

8月末のチャイナ・ショック以後、外部要因だけでも、

・中国の権力抗争が「流動的」

・米国の利上げ時期が「流動的」

・欧州に危機の芽が出現して「流動的」

・中東情勢(軍事及び産油国財政)が「流動的」

・新興国をめぐる資金移動が「流動的」

となっているところに、9月末から繰り出されるはずだった、

政府の「玉」が、(かなり有力なプランはあるにもかかわらず)、

さっぱり具体的な形で出て来ず、市場参加者が安倍政権の姿勢に、

非常に「懐疑的」になりつつあります。

こういう状況では、株価位置についてのコンセンサスを醸成しようにも、

そもそもがその前提となる「材料」がないのですから、

全体的な判断があやふやにならざるを得ません。

それゆえ、現在のように一時的に「壊れた相場」となってしまい、

株価位置の決定に関して合理性や予測可能性が失われているわけです。

近いところでは2013年後半の相場が似たような動きをしました。

当時は利上げをめぐる米国の意図と新興国への影響をはかりかね、

また、安倍政権がどんな「玉」を出すのかをはかりかね、

一日に数百円の値幅で、未秩序、無軌道に乱高下する時期が続きました。

2012年末からのアベノミクス初動の半年間で儲けた資金を、

2013年後半の乱高下ですっかり「溶かした」人がたくさんいましたが、

こういう地合で勝ち抜くのはプロでも困難です。

実際、8月と9月の2度にわたる日経平均大暴落のなかで、

大損害を被った機関投資家の話をちらほらと聞きます。

「想定外の事態に損切りを余儀なくされた」などと言っていますが、

破産、退場を宣告されなかっただけでも良しとすべきでしょう。

ただ、「壊れた相場」の原因が相場材料の「流動化」にあるのであれば、

相場をめぐる環境がはっきりしてくればある程度明快になるはず。

私は9月以降の「居心地のいい水準」をすべて「仮」としていますが、

材料が出揃ったならば、ある程度自信を持って「仮」の文字を外して、

「底」の判断ができるようになるのではないかと考えております。

「壊れた相場」が元に戻ればまた、

「安心、安全、堅実」なチャンスが見えてくるはずですので、

次号メルマガ(第76号:10月4日)でその見通しを分析したいと思います。

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