「緊急事態宣言」決断の日の「僥倖」。
昨日の日経平均は大幅反騰。
ニューヨークの死者数が少し減り、
米国のパニック心理が後退したり、
原油生産に関する合意への期待で、
原油市場も一定の戻りをみせたりと、
海外からの好サプライズが相次いで、
一斉に買い戻しが誘発されました。
「緊急事態宣言」を決断した日に、
こうした好サプライズが発生したのは、
政治的にも僥倖だったといえます。
ただ、日本政府の努力も指摘されます。
安倍政権による「緊急事態宣言」は、
経済活動の維持を念頭に置いており、
他の国々が徹底して実施してきた、
「ロックダウン」とは異なることが、
改めて強くアピールされたことも、
売り方の買い戻しを誘った要因です。
国民に強い行動制限を要請しつつも、
「今までと何も変わらない」とか、
「できる限り経済活動を続ける」とか、
やや相矛盾するメッセージを送るのは、
他の主要国にはないアプローチであり、
海外の人々には少し驚かれています。
また、同日に発表された「経済対策」が、
額面上で従来の予想をはるかに上回り、
ある程度、好感されているようです。
実体経済に与える効果はどうなのか、
また、財政状況への悪影響はどうかは、
これからその細目が明らかになり、
特に「真水」(現金投入)の原資が、
どこからどうやりくりされるのかを、
よく吟味する必要があるといえますが、
とりあえず「緊急事態宣言」の日に、
株価の崩落を招く内容にはならず、
むしろ少し押し返す効果があったのは、
一定の評価をしてよいかと思われます。
前号メルマガ(第311号:4月5日)で、
その激烈な攻防の模様に触れましたが、
日本政府・日銀が死守しようとした、
株価と金利の「防衛目標」が維持され、
年度末の水準を維持できたことで、
政府中枢は胸を撫でおろしています。
もっとも。
「緊急事態宣言」の発出と同時に、
日本市場が崩落していくといった、
嫌なシナリオは回避されたものの、
ここから先もなお「茨の道」であり、
予断を許さない厳しい日々が続きます。
欧米の感染者や死亡者数の推移が、
本当に減少傾向にあるのかどうかを、
一日の数値では判断できませんし、
北半球の状況が多少、好転しても、
南半球の情勢はまた変わってきます。
疫病との戦いは長期戦が必至ですが、
景気と経済に与える影響は深刻であり、
今般の「経済対策」で間に合うのかは、
依然として疑問視されていますし、
仮に「経済対策」が威力満点であり、
景気を浮揚させる効果があっても、
「真水」の量と出所次第によっては、
財政上の爆弾の誘爆懸念が高まります。
前号メルマガで指摘したような、
超長期の日本経済のトレンドへの、
悪影響がどうなるかも気がかりです。
また、英国のジョンソン首相の容態など、
いくつも気になる点はありますが、
欧州の金融システムに対する不安や、
各国の「政治リスク」の如何によって、
いつ相場環境が激変するのかは、
まだまだ予断を許さぬものがあります。
いずれにせよ長く苦しい戦いが、
まだまだこれからも続いていきますので、
注意を切らさずに臨むべき局面といえます。
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