「コロナショック」の第2波、第3波。
昨日の日経平均はさらに乱高下。
主要国の中銀が「協調利下げ」を実施し、
「コロナショック」に対抗するとの情報で、
世界的にも一定の安心感が広がって、
日経平均も21700円台まで急騰しました。
一国が単独で金融政策を動かしても、
その効果は一時的で終わりますが、
揃って「協調介入」をやる場合は、
市場へのインパクトも大きく、
ある程度、持続するものですので、
日経平均が急騰したというのも、
自然な反応だったとはいえますが、
実際には「協調利下げ」の話はなく、
単なる「空騒ぎ」だと判明したため、
上昇分は早々に消えてしまいました。
その後、夜には米国のFRBが動いて、
「緊急利下げ」に踏み切ったため、
一時的に上昇しかけてみたものの、
単独で小出しの金融政策だけでは、
ちょっと物足りなく思われたため、
むしろ売りを誘うきっかけとなり、
米国株は再び大幅安で引けています。
今日の日経平均はこれを受けて、
再び「下値模索」となりそうですが、
金融政策をどうこうする以前の話で、
景気と経済への懸念材料が増えており、
日本政府の動きの遅さとも相まって、
むしろ不安は増大しつつあります。
問題は経済の土台にかかわることです。
日本人の国内での行動が抑制され、
過去に経験したことのない勢いで、
急激に消費が後退していますが、
いつこれが回復に向かうのか、
まだ誰も示すことはできないでいます。
また、島嶼国だけでなく中国やインドが、
日本人の入国を制限することで、
営々と築き上げた自由貿易圏が、
一時的に機能不全に陥りつつあり、
そこに米国までもが日本人の入国を、
制限することを考えているといいます。
前号メルマガ(第306号:3月1日)では、
日本だけでなく米国や欧州各国も、
国内での感染拡大を制御できずに、
「経済災害」が不可避であることを、
その理由とともに書きましたし、
さらに警戒される「政治リスク」が、
経済も社会も混乱させ得ることを、
歴史的な背景から分析しましたが、
今後も「コロナショック」は継続し、
第2波、第3波と続いていきそうです。
こうした事態に対して安倍政権が、
どんな経済対策を打ち出すかは、
株価下落を遅らせるためにも、
非常に注目されるところですが、
国会での総理の発言を見る限り、
日本に対する内外の不安を払拭し、
市場の流れを反転させていく程の、
力強い内容はまだ出てきていません。
今後、日本を含む各国の政府が、
できることと、できないことを、
よくよく見極めていく必要があり、
次号メルマガ(第307号:3月8日)で、
詳しく分析していく予定ですが、
「ここ1~2週間が瀬戸際」という今、
政権が何を打ち出していくのかを、
冷静に注視し続ける必要があります。
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