「日銀砲」の賞味期限と「次の玉」。
(午前0時の更新です)
昨日の日経平均は乱高下。
久々に「日銀砲」が炸裂して、
上下の値幅が750円に達するという、
大荒れの相場となった挙句に、
久々にプラス圏で引けています。
確かにサプライズでした。
新型コロナの悪影響に対抗すべく、
日銀総裁が異例の談話を発表して、
「潤沢な資金供給」を宣言し、
お昼のNHKニュースなどでは、
繰り返し「上場投資信託を買う」と、
堂々とアナウンスされたこともあって、
大きな買い戻しが発生した格好です。
具体的にいつまでにどれだけ買うのか、
本当に買いを継続できるのかどうか、
そもそもETF買いに何の意味があるのか、
なんともよくわからないところですが、
動けない、動かないと言われた日銀が、
極めて異例のアナウンスをした上で、
最大規模の買い出動をしたこと自体は、
十分なサプライズだったといえます。
ただ、こういう形の「市場介入」は、
賞味期限が長くないということは、
経験的にも知られているものであり、
実際、ナイトセッションに入るや、
上昇分はほぼ値を消してしまっています。
しかし、いったん買い支えを始めた以上、
株価の下落を食い止められなければ、
安倍政権は政治的にも窮地に陥ります。
日本政府が株価下落を遅らせるために、
様々な「玉」を繰り出してくることは、
前号メルマガ(第306号:3月1日)で、
その狙いとともに書いたところですが、
そうした「玉」を今後、繰り出し続け、
なんとか下落の流れを食い止めるなかで、
新型インフルによる世界全体の混乱が、
収束に向かうのを待つしかありません。
ただ、どの「玉」も一長一短あります。
金融市場への介入は即効性があるものの、
長期的に持続するようなものではなく、
早期にその効果は消滅してしまいます。
一方、政権は新型コロナに対抗して、
包括的な景気対策パッケージや、
特別立法なども考えているようですが、
十分な規模と深さを出せるならば、
それなりに効果も持続するものの、
その中身が市場の期待を裏切るならば、
むしろ逆に売りを誘う材料になります。
この混乱がいつまで続いていくかと、
政権側の「玉」がどの程度あり、
どのくらいの効果があるかで、
今後の値動きは決まりそうですが、
ともあれ市場においても安倍政権が、
新型コロナとの戦いを始めたわけです。
想定される日経平均の「底」というのは、
もっともっと下にあると思われることも、
前号メルマガでお示ししたところですが、
下落の速度を少しでも遅らることができ、
少しでも高い位置で反転をもたらせるか、
いよいよ真剣勝負が始まったといえます。
そうした観点からも諸情勢を見極めて、
適宜適切に対処していきたい局面です。
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