少しの明るさと、「まさか」への不安。
(午前0時の更新です)
昨日の日経平均は反落。
権利落ち日という要素もありましたが、
一昨日の上昇圧力が続かなかったのは、
米国が仕掛ける「貿易戦争」に加えて、
やはり対イラク制裁も「重石」となりました。
世界貿易が縮小し、円高も進行していけば、
日本企業の「稼ぐ力」も目減りしていきます。
世界経済全体が雨模様となった状況で、
日経平均が力強い上昇軌道を描くのは、
かなり困難であることは当然といえます。
ただ、少し明るい兆しがないこともありません。
トランプ政権の人々は「貿易戦争」について、
最悪の衝突にならない方法を示唆し始めており、
「駆け引き」が次の段階に入る可能性があります。
まず最初の一発目で高い玉を投げておいて、
後から譲歩と妥協に応じるというやり方が、
いつもの「トランプ流」といえますので、
交渉妥結の糸口がみえてきたならば、
意外に早く情勢が好転する可能性はあります。
一方、国内政局もまだ希望が残っています。
国会では参院での厚労大臣問責をいなし、
QTを想定通り無難にこなしたことで、
政権側はギリギリのスケジュールながらも、
会期末までに重要法案を成立させることが、
まだ可能な状況を維持しています。
しかしながら。
米国の仕掛ける「貿易戦争」の怖さというのは、
当初は「出来レース」の「ショー」のつもりが、
不測の事態で当事者では制御不能になってしまい、
「まさか」という悲劇につながりかねないことです。
セルビアの一発の銃声が第1次世界大戦をもたらし、
欧州の若者をひと世代ぶん擦り潰してしまうことなど、
当時の指導者は誰一人として想定していませんでした。
米中、米欧、日米、北米大陸内の「駆け引き」が、
想定外の「まさか」を生む恐れはやはりあります。
また、国内政局もまだ「まさか」があり得ます。
この7月にかけての日程が窮屈であることは、
前号メルマガ(第218号:6月24日)で述べた通りで、
官邸と参院自民党との角逐と主導権争いもあって、
なんとなくピリピリしたムードが続いています。
ようやく「働き方改革」法案が仕上がりそうですが、
参院自民党が暴走気味にやる「定数問題」に加え、
野党側が考える「もりかけ」問題での最後の攻勢が、
どの程度、審議日程に影響を与えるかは未知数です。
官邸がこれほどピリピリしているということは、
まだ「まさか」は発生し得る状況ということであり、
永田町関係者は決して能天気にはなっていません。
このように。
海外情勢も国内政局も激しい「駆け引き」のなかで、
状況がめまぐるしく変化しているなかで、
様々な「まさか」を警戒しているところです。
それらの最新情報、水面下情報を収集した上で、
この夏のそれぞれのシナリオにおける、
日経平均の上値と下値についてなどの見通しを、
次号メルマガ(第219号:7月1日)で分析します。
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