好悪それぞれの材料と、「3月相場」の後の展望。
(午前0時半の更新です)
休日前、一昨日の日経平均は小さく上昇。
前場こそ利確の売りに押されたものの、
米中、英欧の関係がどう推移するか、
FOMCで何が飛び出すかなど、
材料を見極めたい「様子見」の心理が働き、
大きく売り込まれることもないまま、
大引けにかけて値を戻しています。
そして休日中も着々と情勢が動き、
新たな材料が次々と出てきています。
一応、危機の「先送り」が模索され続け、
3月末の破局的な結果が回避されるよう、
米中、英欧の指導者達が努力しているのは、
「良い材料」とカウントできるでしょう。
首脳会談の日程こそ見えてこないとはいえ、
「米中協議」は実務的な作業がまだまだ続き、
決裂を回避する努力が続いています。
英国は正式にEUに離脱日時延期を要請し、
EU首脳陣は5月の日程との兼ね合いをみて、
最終的な判断をすべく努力が続いています。
最悪の場合、この「3月相場」の結果として、
米中、英欧のどちらかあるいは両方が、
悲劇的な形で破裂する恐れがありましたが、
少なくとも現時点で指導者達の間に、
それを回避したい意志と努力があることは、
「良い材料」にカウントできそうですし、
実際、日経平均も底堅く推移してはいます。
とはいえ、簡単ではないことは変わりません。
中国は米国からの要求の一部について、
頑強に抵抗しているとも伝えられています。
またEU首脳陣の間で戦わされている議論は、
そう簡単にまとまる様子もないようであり、
やはりギリギリまで油断ができないことが、
日経平均の上昇にブレーキをかけています。
まだ本格的に破裂したわけでもないため、
「悪い材料」としての影響は限定的ですが、
しかし、「悪い材料」が警戒されている事が、
心理的な重石になっているのは否めません。
一方、休日の間の米国のFOMCでは、
年内の利上げと資産縮小の停止が決まり、
「引き締め」から「緩和」の方向へと、
金融政策の転換が始まっています。
米国株はこれを受けて上昇しており、
世界市場には一応、「良い材料」として、
株高効果をもたらすものと思われますが、
為替市場にも甚大な影響があるとみられ、
こちらは「良い材料」ばかりではありません。
少なくとも日経平均にとっては、
じわりと進む「円高」の動きは無視できず、
春以降に「悪い材料」にもなり得ます。
このように、刻々と情勢は動きつつあり、
好悪まちまちの材料が次々と出ていますが、
「3月相場」が終わりを迎える頃には、
一定の方向性が見えてきそうであり、
単純に株価という点でもそろそろまた、
例の「分水嶺」に接近していますので、
「3月相場」の後の展開について、
少なくとも「頭の体操」だけでも、
やはりしておいて損はないはずです。
次号メルマガ(第257号:3月24日)では、
最新の好悪それぞれの材料を踏まえて、
春以降の相場展望を分析する予定です。
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