それぞれの「勝利のシナリオ」。
(午前0時の更新です)
昨日の日経平均は月初ということもあり、
3日ぶりに反発しました。
為替のほうは110円割れが近いというのに、
「2万円ライン」に寄せてくるのはさすがです。
もっとも、反発といっても数十円の話です。
新閣僚としてどこかで見た人たちの名前が、
ぽろぽろと「新聞辞令」で伝わってくる以外は、
特段、何も新しい材料は出ていませんから、
売るにも買うにも手掛かりはなく、
数十円の範囲内で膠着状態が続いています。
やはり8月3日の内閣改造を契機として、
政権側がどんな「玉」を出してくるのか、
どんなメッセージを市場に与えてくるのかを、
きちんと見極めたいところではあります。
ともあれ。
この7月の値動きのなさというのは、
36年ぶりという異常事態だったそうです。
実際、「2万ライン」を意識しつつ、
下は19900円付近、上は20100円付近という、
非常に狭い範囲にずっといたわけですから、
誰がどう考えても異常と言えば異常です。
あれほど政治的な激震が続いても、
日経平均に「2万円ライン」を死守させるべく、
連日、買いまくった公的資金の存在は大きいです。
逆に言えば、あれほどの激震が続かなければ、
企業の増益効果や政策への「期待」もあって、
やはり「ふわりと軽くなる」可能性はありました。
政権にとっては口惜しく、もどかしい一ヶ月といえます。
いずれにせよ、明日から政権側は「反転攻勢」です。
「人材難」とか「玉が出て来ない」とか、
永田町ではいろいろなぼやきが聞かれますが、
発足以来、最大級の「危機」にあるからこそ、
発足以来、最大級の「玉」を出したいところ。
官邸の中のちぐはぐ感や政権中枢のごたごた、
また、党内の実力者同士の軋轢なども気がかりですが、
安倍総理は総理なりに「勝利のシナリオ」を錬り、
起死回生の「挽回策」を考えていることは、
やはり間違いのないことですので、
次号メルマガ(第172号:8月6日)では、
安倍政権の「勝利のシナリオ」も確認してみます。
当然ながら、総理はまだ政権存続を諦めておらず、
「本懐」を遂げる努力を止めたわけではありません。
一方、与党内で「ポスト安倍」を狙う人々、
また野党側から「政界再編」を仕掛ける人々も、
それぞれに「勝利のシナリオ」を錬っています。
とりわけ、政治の本質は「権力闘争」ですので、
「政界は一寸先が闇」という箴言は、
誰にとってもあてはまるものです。
誰が勝ち、誰のシナリオが現実のものになるかは、
やはり最後までわからないとしかいえません。
政権側、与党内、野党側のそれぞれのアクターの、
どれかの「勝利のシナリオ」が現実化するわけですので、
一つでも多くのシナリオを頭に入れておくことは、
投資家として決定的に重要なことだと私は考えています。
詳しくはまた、次号メルマガで。
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