昨日の日経平均は大幅上昇。

一時はずいぶん遠く思われた「日経平均2万円」が、

あっという間に射程圏内に入りました。

海外を中心に波乱要因がくすぶっているにもかかわらず、

日本市場が力強く上昇するのは「地下のマグマ」の強さを物語っています。

詳しくは前号メルマガ(第56号:5月10日発行)に書いたとおり。

それにしても。

永田町は昨夜の衝撃的な「大阪都構想」の幕切れに騒然としてます。

「第3極」という「星」が大爆発をして消滅してしまった衝撃を受けて、

政府・与党のほうでも改憲の目論見が頓挫したり、

野党再編が流動化したり、共産党が勢いづいたりと、

与野党の双方に甚大なインパクトをもたらしています。

また、霞ヶ関としては民主党に続いて、

「第3極」という「官の敵」が政治的勢力として消滅し、

今後の長期的な見通しが非常に明るくなっているようです。

ともあれ、それらの詳しい内容はメルマガに譲ることとして、

「投資手法」分析者としての私・時鳥は、

「橋下劇場の終焉」に相場についての「教訓」を感じるところがありました。

やはり最も大きな「教訓」は、

・「必ず勝てる戦いをするべき」

・「『負けたら最後』の勝負はしない」

ということです。

橋下氏が好きか嫌いかは人それぞれ評価がわかれるところでしょうが、

彼がある種の「天才」であることは多くの人の意見が一致しています。

おそらく同じような天才があらわれるのは数十年後でしょうし、

大阪にはこうした改革者は数百年あらわれないかもしれません。

その、天才・橋下氏は「ケンカ殺法」「瀬戸際戦術」を駆使し、

それらに全て連勝することで、時代の「風雲児」になりましたが、

その戦術ゆえに、とにかく大量に敵を創るという致命的なクセがあり、

しかも、味方だった人々も敵に回し、従来の敵をどんどん先鋭化させ、

結局、自分以外の全部が敵となって完全な包囲網を敷かれる形で、

先週末の「決戦」に臨むことになってしまいました。

確かに、今回の住民投票においては「味方」を求めたといいます。

官邸や中央の創価学会との間で「密約」を成立させ、

賛成多数に持ち込むだけの票を期待する戦術もとるにはとったようですが、

地元大阪で相手をタコ殴りにしてきた「恨み」を解消するには至らず、

地元の自民、公明の地方組織による包囲網に絡め取られてしまったのです。

それでも「あと0.4%とれば勝利」というところまで持ち込んだのですから、

橋下氏はやはり天晴れな政治家というべきではありますが、

戦うたびに味方を増やしていく「豊臣秀吉方式」の逆をやったてきたのは、

自分自身で「どこかで負ける」ことを運命付けてしまったといえるでしょう。

もし、橋下氏が、織田信長や豊臣秀吉、あるいはナポレオンのように、

「必ず勝つ」環境がととのってから、

「必ず勝つ」という人数と装備をととのえ、

「必ず勝つ」というタイミングで戦を仕掛けていたら、

最終的な住民投票で勝利し、大阪都構想は成立していたはずです。

おそらく、それができなかったところが、橋下氏の限界であり、運命であり、

同時にまた、特色であり、魅力であり、「橋下人気」の源ではありましたが。

そして、もうひとつ、「橋下劇場」のポイントは、

「ひとつの勝負に全てを賭けてしまったこと」でしょう。

都構想自体を明快に否定した人は、今回の「反対派」の半分程度。

「もう少し議論をしたい」「よく説明して欲しい」という「反対派」には、

1年とか2年とかの時間をかけ、じっくりと何度も説得を繰り返し、

いったん否決されても修正案を出して再度、住民投票をするといった、

息の長い、粘り腰の戦略をとるというやり方もあったはずです。

「大阪都」というのは百年単位の制度設計なのですから、

慎重さと丁寧さを求めた「反対派」の言い分もよくわかります。

したがって橋下氏が『負ければ引退』という丁半博打にはせず、

粘り腰で、何段構えもの陣立てで臨めば、いずれ都構想が成立したかもしれませんが、

やはり彼はそうした迂遠なことはやらず、

その壮大な劇場を、ど派手にフィナーレさせることを望んだわけです。

ひとりの政治家の、政治的アピール、美学、メッセージとしては、

好き嫌いはあっても橋下劇場は注目に値する劇場ではありましたが、

相場を張る人間としては決してマネをしてはいけないことです。

投資はギャンブルでも博打でもありません。

勝つか負けるかわからない勝負で、しかも負ければ滅んでしまうという、

「滅びの美学」のようなことをやれば、いつか必ず退場することになってしまいます。

だからこそ、私は、

・「必ず勝てる戦いをするべき」

・「『負けたら最後』の勝負はしない」

という哲学で、特に先物についてはそれに特化した「時鳥トレード」に徹しているのです。

相場をやるとつい熱くなり、余計なロマンやヒロイズムに浸りがちですが、

投資、資産形成というのは「橋下劇場」のようなパフォーマンスとは、

全く対極にあることを頭に入れておくべきです。

負けさえしなければ、いつか必ず大きな富を掴むことができるのですから。

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