昨日、FOMC通過で不確定要素がひとつ晴れた後、日経平均は続伸。

一時、15700円にタッチする強い動きをみせました。

先週から今週の前半にかけて、何度か売り崩す動きはあったものの、

意外に早く反発したため、ヘッジファンドは買いで仕掛ける方向に転換してます。

また、QE完全終了にともなう、FOMCの「市場との対話」がほぼ完全な内容であり、

針の孔を通すような非常に難しい局面で、軟着陸を成功させたことは決定的です。

昨年11月から繰り返されてきたイエレン・マジックが再び炸裂し、

こうした中銀総裁(議長)のいる米国を羨ましく思うほどです。

あとは、この上昇がどこまで行くかという問題です。

日経平均について言えば、ご存じのとおり、先週から昨日にかけて、

私が最も気にかけてきたのは、「安倍政権の信任」の問題です。

万一にでも、安倍政権が早期退陣すれば、その影響は途方もないからです。

実際、自民党幹部が語るように、先週からの安倍政権は「崖っぷち」にいます。

谷垣幹事長自らが、解散総選挙に言及するなど、その危機感は相当のものです。

しかし、今月半ばに変わった「潮目」も、いったん食い止まりつつあります。

「当面のヤマ場」だった昨日の予算委員会で、野党は政権側を攻め切れませんでした。

与党側が繰り出す、野党幹部の政治資金問題で追及の矛先が鈍ったこともありますが、

何よりもやはり、野党側が解散を恐れていることが大きいです。

本気でやれば、江渡、宮沢、西川大臣のうち、誰かのクビはとれる局面であり、

安倍政権の瓦解も十分あり得る状況でした。

しかし、解散すればやはり野党が困るのです。

私は、昨日の予算委員会通過をもって、当面の危機が去ったと考えています。

無論、「ツー・アウト」の今、週刊誌に破廉恥写真の一枚でも出ればアウトですし、

誰も望まない「ハプニング解散」はいつでもあり得るという状況は変わりませんが、

おそらくは来週から臨時国会も正常化し、なんとか閉幕へと持ち込めるでしょう。

満身創痍のままではありますが、安倍政権側の逃げ切りです。

そして、正念場を乗り越えれば、今度は攻守が逆転します。

「閉幕間際のサプライズ解散」のオプションは、まだ政権の手の中にあり、

奇襲攻撃でこれを繰り出すことになれば、今度は圧倒的有利な「攻勢局面」です。

安倍政権側は、一発逆転の切り札(解散)を持ったまま、反攻に移りつつあります。

今後は、私が「政局騒動」の前にメルマガ(25号:10月12日発行)で指摘しましたが、

政権側には「玉」がまだまだ豊富にあり、特に年末年始にかけては、

補正予算、地方創生、あるいは消費増税凍結(延期)などの「大玉」が控えています。

目先の霧が晴れ、これらの「玉」が効いて、ここからもう一段の上昇があるとすれば、

私の次のエントリーは、上昇したところを叩く戦略になりそうです。

政治というのは「一寸先は闇」ですが、

攻守が替わって好転する時も早いものです。

投資家は、刻々に変化する状況に「対応」して、ベストな戦略を選択するのみです。

私は、先々週の下落時に「基盤的国策銘柄」を選定してエントリー準備をしましたが、

「政権瓦解」等の可能性を考え、もう一段の押しがないと買いにはリスクがあるとし、

出動を見送った上で、見極めに専念すると申し上げました。

当時のメルマガに、その理由をこう書いています。

  「すでに「買い場」ではあるのですが、
  永田町がこんな空気になったら、どんな「想定外」もあり得るので、
  私としては、あえて「儲け損ない」のリスクをとって、
  安全策で行こうとしている次第です。」
  (第26号:10月19日発行より)

そして、その「想定外」が発生せず、反発局面がやってきたら、

今度は別の戦略で、「安心、安全、堅実」なポイントを狙うことになると、

同じメルマガの中で書いています。

  「短期急反発があれば、数週間ほどじっと待って、
  今度はよりイージーに「上の異常値」で待ち伏せて、
  6月や10月のような戦略で、叩き落とすだけです。
  あらゆるシナリオを勘案して、
  「安心、安全、堅実」ゾーンをじっと待つのが「時鳥トレード」です。
  この点、私はいささかもブレることはありません。」
  (第26号:10月19日発行より)

そうなる可能性のほうが高くなってきました。

あくまで、この水準からさらに「上の異常値」に突入すれば、という前提ですが、

私は、どちらかといえば、上で待つほうが「おいしい」と思います。

世界的にみれば、ずっと下ブレのリスクがつきまとっています。

FOMCでサプライズがなく、ひとまず市場との対話に成功したとはいえ、

ふたたび世界的な調整ムードが始まるかどうかはっきりするのはこれからです。

また日本政府が繰り出す「玉」の数には限界があり、上値にも限度がある一方、

景気の不安要因はほとんど何ひとつ解決されておらず、

何かをトリガーにして一気に崩落する危険性をはらんだままの上昇です。

現時点では、為替の動きが予想EPSにほとんど影響を与えていませんから、

例の「居心地の悪い水準」の「上の異常値」で素直に売りを入れれば、

かなり「安心、安全、堅実」に利益を上げることが可能と考えております。

いずれにせよ、「相場は生き物」です。

いつ、どのシナリオが、どういうレベルで発動されるかまだわかりませんが、

先日申し上げた「3つのシナリオ」はまだ生きています。

昨日も申し上げたように、それらのどのシナリオになるかを「予測」することは、

私達のやるべき仕事ではありませんが、

どのシナリオになっても生き残り、富を殖やす方法を準備をしておくことは、

決して怠ってはならないことだと考えております。

いよいよ11月。

年末から来年にかけての動きを、だんだんと見極めることができそうです。

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