政権側の「挽回策」。
昨日の日経平均は2万円ラインを再突破。
ようやく狭いレンジでの膠着状態を脱しました。
円安と米国株高という「追い風」も吹いています。
今後、いくつかのカベも予想されていますが、
「2万円ラインは堅い」という感触が広がれば、
この先、「熱い夏」が到来するかもしれません。
前号メルマガ(第165号:6月18日)で述べましたが、
日米の「政治リスク」も各地の「地政学リスク」も、
いつ破裂するかわからない怖さはありますし、
そうした「危機」の存在は上値を押さえるものです。
しかし、いつ破裂するかわからない状況とはいえ、
「中だるみ」になっている間は下げ圧力が減少します。
相場は上でも下でも動かなければ利益が出ませんので、
「下に行かない」ことがはっきりすれば、
少なくとも「ど真ん中」近辺までの上昇は、
依然としてあり得ることだと考えています。
さて。
国内政局の話。
日経平均の基礎体力にも大いに影響します。
政権は「挽回」への努力を開始しました。
なるべく早期になんとか巻き返して支持率を回復し、
失った「政治的アセット」を取り戻したいものです。
昨日の記者会見がどれだけ国民の胸に響いたかは、
今後の支持率の推移をみるまでわかりませんが、
ひとたび「これはまずい」という状況に至れば、
臆面もなく「豹変」して機敏に頭を下げれるのが、
安倍総理の強みのひとつかと思います。
(エリートや中途半端に偉い人はこれができない)
森友、加計、「組織犯罪処罰法(テロ準、共謀罪)」と、
支持率急変の原因となった「事柄」についてではなく、
全体的な政治の「姿勢」について謝罪するという、
極めて戦略的で計算された「お詫び」でした。
危機管理のセオリーに照らしてどうかとは思いますが、
政権が政局的な「危機」に直面するや、
すぐさまこうした対応がとれる総理の「機敏さ」は、
市場にとってマイナスとなるものではないと思われます。
また、森友問題では籠池氏側を強制捜査。
国会閉会後の強制捜査は永田町の「常識」でしたが、
検察が政権側にとって不都合な情報を握り潰せば、
この話は政局的な意味では、見事、一件落着します。
本当の意味での「逃げ切り」です。
(逆に検察が政権を裏切れば「一発アウト」ですが)
このように、週明けから早速、
政権側は2つの挽回策を講じてきました。
参議院での「禁じ手」採決の「後味の悪さ」や、
この先、また再燃しかねない加計問題など、
難題はいくつも抱えており、
どれも軽視できない重大な案件ではありますが、
それらをなるべく早期に払拭するためにも、
反転攻勢に転じるのはなるべく早く、
しかもその行動はなるべく大規模であるべきです。
週末からは都議選もあって世論の空気も変わります。
今週、安倍政権が何を打ち出しどう行動するかは、
日経平均の「熱い夏」にも直結するだけに、
要注目の事柄と言えるでしょう。
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