米国の「株価維持策」と世界の不安。
昨日の日経平均は大幅下落。
先週末の「米中対決」の激化や、
急伸する「円高」が直撃して、
500円級の下げが生じました。
もっとも、2万円ライン手前で、
押し返す動きがみられたことも、
昨日は印象に残ったところです。
G7でトランプ大統領が発言した、
「米中協議」の楽観論もあって、
昨夜は為替も戻していますし、
貿易面の「日米協議」の見通しも、
市場にとって衝撃ではありません。
新たな悪材料が出てこない限り、
ショック安が続くことはなく、
再び小康状態まで戻す可能性も、
あるといえるところです。
もっとも。
不安が全て去ったために、
反転に向かっているわけでもなく、
今後、情勢が好転するかどうかは、
まだ予断を許さないものがあります。
確かに株価が大きく下げれば、
トランプ政権は融和姿勢をみせ、
株価を維持しようとするのは、
恒例のパターンとなりつつあり、
このトランプ氏の「株価維持策」に、
一定程度、効果があることもあって、
ひところのように売りから売りへ、
果てしない崩落が続く現象は、
ここしばらくみられていませんが、
本当に「米中協議」が進行して、
緊張が緩和する方向に行くかは、
双方の国内事情を勘案する必要もあり、
そう簡単に楽観的はなれないところです。
その他、欧州、中東、東アジアなどで、
発火寸前、あるいは発火中の危機を、
前号メルマガ(第279号:8月25日)等で、
指摘しているところですが、
これらがいずれも世界と日本の市場に、
重苦しい雰囲気をもたらし続けており、
日経平均の再上昇に「重石」となり、
「下ブレ」不安を消せないでいます。
今後の日経平均の値動きは、
これらの材料への目配せも欠かせず、
注意を途切らせるわけにはいきません。
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