「秋の試練」をどう乗り越えるか。
(午前0時の更新です)
昨日の日経平均も続伸。
ただし、たった2円の上昇です。
さすがに連日の大幅上昇の後で、
上値が重くなった印象は否めませんし、
安倍政権の前途にくる「秋の試練」が、
そろそろ意識されてきますから、
一昨日までとはまるで事情が変わっています。
ともあれ。
自民党の総裁選は安倍総理の「三選」。
一応、「圧勝」といえる勝ち方ですが、
得票数が意外に差が開かなかったことで、
政局の火種が残った可能性があります。
国会議員票で石破氏が意外に伸ばし、
地方票ではほぼ拮抗してしまいました。
秋以降の政治課題を考えるにつけ、
安倍政権には大きな試練が予想されますが、
地方票の半分近い支持を寄せられた石破氏が、
自民党内で存在感を維持し続けることは、
政権にとっては不気味なことといえます。
総裁選の結果が発表されたと同時に、
日経平均が一時、大きく売られたのは、
「材料出尽くし」による売りだけでなく、
総理の「勝ち方」がイマイチだったことも、
その背景にあるものと思われます。
実際、早速、「秋の試練」がやってきます。
中国が明らかにひるんでいることもあり、
米中の「貿易戦争」はやや落ち着き、
全体的に警戒感が和らいでいますが、
米欧、北米、米中と「料理」した後、
トランプ政権の目はやはり日本に向きます。
「三選」後すぐに閣僚級の協議(FFR)が再開され、
総理自身も訪米して首脳会談にのぞみますが、
米国側の要求をどうかわしていくのかは、
日経平均に大きく影響する重大な要因です。
前号メルマガ(第230号:9月23日)で書いた通り、
年末にかけての「外交戦」もド派手ですが、
米国、ロシア、北朝鮮との間に、
「試練」ともいうべき難問が横たわっており、
打ち手を間違えると政権の足下が揺らぎ、
「安倍降ろし」の遠因になりかねません。
また、中国との急接近ぶりが強調されますが、
次号メルマガ(第231号:9月23日)で述べる理由で、
日中間には「対立のベクトル」も存在しており、
相反する2つの力をマネージできるかどうかは、
3期目に入った安倍政権にはかなりの難題です。
政権は当然、これをよく知っていますので、
秋の国会は「超・安全運転」ですが、
しかし前号メルマガに書いた理由により、
それもまた求心力を削ぎかねない賭けです。
内閣・党執行部の人事をどうするかで、
与党内のパワーバランスが変化しますが、
報道される「主要ポストは留任」で、
本当に政権基盤が維持できるかどうかは、
総理にとってやはり大きな課題といえます。
今日から全く新しいドラマが始まります。
政権の基盤が強くなるか弱くなるかによって、
日経平均の未来に大きく影響がありますので、
次号メルマガで今後のシナリオを分析する予定です。
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