6月相場。日経平均の「底」の堅さと「上値」の重さ。
昨日の日経平均はまずまずの反発。
南欧諸国の不安が後退したことを好感し、
終日、買い戻し基調が先行しました。
米国の長期金利が低下していることで、
円安の圧力もやや低下している状況ですが、
安倍政権の延命にも希望の光が差すならば、
日経平均の「底」は自ずと定まりますから、
そう無茶苦茶に大崩れすることも考えづらいです。
政権の国会運営はギリギリの状況で、
会期を延長せずに重要法案を成立させ、
かつ、政権追及の機会も封じるという、
曲芸のようなことが本当にできるのかどうか、
かなり危ぶまれているのが現状ですが、
少なくとも後者(政権追及)に関しては、
一連の「外交戦」の急展開ともあいまって、
現時点で具体的な日程は浮上しておらず、
これが市場にとっても安心材料といえます。
もっとも、だからといって政権が窮地を脱し、
延命を確実にするにはまだ程遠い状況です。
たとえ日経平均の「底」が割れないといっても、
上値が重い状況もやむを得ない状況であり、
相場がまた「熱い夏」を迎えるためには、
いくつもの課題が残されているところです。
外部要因もなかなか安定しません。
中東が危ないと思えば北朝鮮で、
北朝鮮が安心できそうと思えば南欧で、
南欧不安が後退すればEUと米国の貿易戦争と、
日替わり、週替わりで不安要因が台頭し、
株価の上昇に水を差す展開が続いています。
今日から6月相場のスタートですが、
米欧の貿易戦争という新たな懸念や、
米国雇用統計を前にした様子見ムードもあり、
今日の日経平均は冴えない恐れがありますが、
来週以降も重要日程が立て込んでいます。
外交・内政ともに局面が大きく変わり、
株価に大きな影響が出る可能性がありますので、
次号メルマガ(第215号:6月3日)で分析します。
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