「メジャーSQ週の中日」だった昨日、

日経平均は一時、500円超も下げました。

昔から「魔の水曜日」と言われますし、

火曜日の小さな下げを引き継ぐ形で、

水曜日に大きく下げたわけですから、

メジャーSQらしい「波乱」といえばそうなのですが、

問題は下げの原因がSQ要因だけでなかったことです。

米国がエルサレムをイスラエルの首都として認め、

中東諸国の猛烈な反発が懸念されることから、

世界的に懸念と「不安」が広がることとなり、

日経平均も全面的に売られる展開になりました。

せっかく22500円付近で踏ん張っていたのに、

中東からの「冷や水」を受け、

「今年最大の下げ」を演じた格好です。

もともと米国大使館をエルサレムに移すことは、

20年以上も前から決まっていた話でしたが、

歴代の米国大統領は周辺諸国の反発を考慮して、

ずっと先送りを続けてきたという経緯があります。

しかもよりによってこの時期です。

折からイランとイスラエル、そしてサウジの各国が、

激しくパワーバランスが変化させているところであり、

一部では「核戦争」の危険すら囁かれています。

まさにいま中東で「不安」が燻っているその最中に、

トランプ政権があえてこうしたことを断行したことで、

「火にガソリン」が注がれることになりかねません。

トランプ大統領も足元の「政治リスク」などから、

そうせざるを得なかったのかもしれませんが、

ともあれ、こういうことが頻繁に起きるのが、

トランプ政権特有の怖さだといえますし、

これに日経平均が振り回されるというのは、

私達にとっては常に困ったことではあります。

さて。

この件が来年にかけての日経平均の「先高感」を、

どの程度、削ぐことになるか注意が必要です。

日本にとっては北朝鮮が最大級の脅威ですが、

欧米にとっては中東のインパクトはより大きく、

こうした攪乱を行うトランプ政権そもののが、

さらに厄介な不透明要因ともいえます。

安倍政権にも新しいスキャンダルの種が蒔かれ、

小さな「不安」として燻り始めました。

まったくもって「一寸先が闇」ですが、

いずれにせよ、これが「相場」です。

次号メルマガ(第190号:12月10日)において、

今後の日経平均の「先高感」に影響を与える、

「不安」や「重石」、「冷や水」を総点検した上で、

「上値余地」と「下値余地」について考察します。

いずれにせよ、今日、明日の値動きは大切です。

昨日の下げのどこまでがSQ要因であり、

どれくらいが中東からの「冷や水」だったのか、

よく確認しておきたいところですので、

SQ通過後にどこまで戻すかを見極め、

日経平均の「先高感」の今後を占いたいところです。

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