(午前0時の更新です)

米国は北のミサイルをICBMと認定。

「レッドライン」を超えたことになります。

また、新たな核実験が準備されているとも報じられ、

もうひとつの「レッドライン」も超えそうです。

半島でのこうした危機感の高まりを受けて、

昨日の日経平均は一時19800円台まで下げました。

・・・しかし、下げたのはそこまで。

お昼には日銀がしっかりと出動して株価を吊り上げ、

結局のところ前日比プラスになって引けています。

「パニック安」にならなかった理由には、

米国が律儀にも国連安保理に行ったこともあるでしょう。

この問題を中国やロシアを交えて協議するのであれば、

米軍からいきなり先制攻撃をするのは極めて困難です。

また、米韓軍もミサイル試射で「牽制」したとはいえ、

6月の一連のメルマガで触れたように、

東アジアに展開する米軍の戦力を考える限り、

先制攻撃をしても作戦の規模には限界があります。

北朝鮮はやはり米国の足元を見ているといえます。

そして、「米軍はいつ動くのか?」ということよりも、

「米軍はそもそも動けるのか?」という具合に、

多くの投資家も懐疑的になってきたといえます。

ただ、この局面でも米国が動かないとなると、

今度は別のもっと深刻なリスクを誘発しかねず、

そうそう喜んでばかりもいられません。

中途半端な融和策は逆に途方もない悲劇を招くのは、

古今東西の歴史が証明するところですし、

何よりトランプ政権こそ「動けない」ことで、

大きな政治的リスクを恐れがあるといえます。

一方、日本国内の政局も激しく動いています。

安倍総理の政権基盤をめぐって与党の中では、

地殻変動のような動きが発生してはいますが、

与党内の駆け引きはオモテに見えない一方で、

野党・民進党のほうは盛大に崩壊しつつあります。

国会議員にも離党者が相次いでいる一方で、

やっと勝ち取った閉会中審査も「総理なし」です。

もはや政権を追い詰めるどころか、

政権存続をアシストする勢力になっています。

やはり「蓮舫体制の持続」というのは、

安倍政権にとってこの上もない「好材料」であり、

前号メルマガ(第167号:7月2日)に書いたように、

「政権交代リスクはない」という安心感を広げています。

安倍総理にはまだいくつかの挽回策があり、

まだまだ「本懐」を遂げるシナリオは残っています。

小池都知事は国政における政権との距離感について、

決定的なところでまだ態度を明らかにしておらず、

幾通りもの戦略を描いて舌なめずりしていますが、

幸い(?)にもこれが当面、安倍政権を利しています。

都議選や北のミサイルという「冷や水」の連続でも、

日経平均が2万円ラインを維持しているのは、

こうしたことが下支えになっているといえます。

ただし。

上記のことはあくまでオモテの話です。

「地政学リスク」にせよ、「政治リスク」にせよ、

水面下で事態は非常に流動的になってきており、

しかもその速度を速めているのは間違いありません。

日替わりでびっくりする情報が毎日飛び交います。

日経平均が2万円ラインを維持し、

2015年の最高値を超えて上昇を遂げるためには、

まだまだ環境が整ったとはいえませんので、

次号メルマガ(第168号:7月9日)で分析します。

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