「玉」はいつ、どの程度か?それを知らずして、目先の相場は語れません。
昨日の日経平均は10月2日安値を割り込むレベルでの揉み合いでした。
ただ、いつもの「魔の水曜日」のように、後場あたりに不意に売り崩される形ではなく、
NY市場の下落を受けて寄り付きからベタッと下に貼り付いたまま、
上にも下にも行かないという息苦しい値動きです。
SQ週が荒れるのは仕方ないとしても、
SQ通過となる来週以降、相場が上昇するのかどうか、不安に思う向きが増えています。
昨日、多くの人が戸惑ったのは、IMFが「梯子を外した」ことです。
一昨日、IMFは世界の成長見通し全体を下方修正しましたが、最大の「下げ」は日本。
1.6%とみられた成長予想を、なんと0.7%も下げたのですから、びっくりです。
IMFこそ、日本政府に消費増税をせっついてきた「外圧機関」ですが、
誰もが知るように、それはIMFのなかにある財務省の「出先ポスト」によるもの。
そのIMFが「消費増税のせいで日本経済の足が止まった」と言うのですから、
政府、国会のなかでも「なんじゃそりゃ」という空気が広がっています。
ただ、IMFは相変わらず、「消費増税10%は予定どおりやるべき」と「外圧」をかけ、
「景気対策には、追加緩和と構造改革をやれ」と、「内政干渉」を継続していますが、
このあたりのペーパーは一字一句、DCに出向中の財務官僚が書いています。
古くからのメルマガ読者の方はご存じのとおり、
私は今年5月からの上昇には一貫して距離を置いてみていますが、
やはり、2次にわたる消費増税は景気に深刻な影響を与えているわけです。
私が水面下で確認した資料は、いずれも非常に悪いです。
この点はもう、IMF(を名乗る財務官僚)ですら隠せなくなりました。
そのため、景気全体にどーんとのしかかる重みを跳ね返すため、
政府は騙し騙ししながら幾多の「玉」を投入してきましたが、
「玉」の効果はいずれも期間限定ですので、定期的に沈下します。
無理して上げたものは必ず下げますので、そこを狙うほうが安心です。
したがって、この半年、私が「安心、安全、堅実」なエントリー・ポイントを探せば、
畢竟、下げるところ、下げるところを狙うことになってきました。
おかげで、底値で買い出動するつもりの「基盤的国策銘柄」はずっと出番待ちですが、
そのぶん、わりとイージーに暴落がとれますので、十分な利益にはなっています。
いずれにせよ、日本経済は「景気の自律回復」が怪しくなっており、
QEが終了するNY市場をはじめ世界経済全体に重しがかかり始めた今、
今後の、日経平均の見通しを考えるには、
1)政府にどんな「玉」があるのか
2)それらの「玉」はどのくらいの効果があるのか
3)それぞれの「玉」はいつ頃、投入されてくるのか
が決定的に重要になります。
いわば、落ちてくる風船を、ぽーん、ぽーんと下から突き上げるイメージで、
自然落下する日経平均をその都度、政府が「玉」を繰り出して押し上げるからです。
そうやって、「間」を持たせているうちに、「例の」構造改革によって、
風船の中身をヘリウムに入れ替えることができれば、
後は下から突き上げなくても、風船は天井まで上昇していくのですが、
この秋から来年にかけては、やはり何発かぽーん、ぽーんとやる必要がありそうです。
何度も申し上げますが、アベノミクスは徹頭徹尾、「政策相場」であり、
「政策要因」と「グローバル・リスク」の綱引きで全てが決まります。
17000円到達の時期や、「買い場」の見立ても、この「玉」の分析が決定的です。
次号メルマガ(第25号:10月12日発行)では、むこう半年くらいの間に、
政府がどんな「玉」を繰り出せるのかを考えてみたいと思います。
年内、あるいは来年そうそうの「チャンス」は、これにかかっています。
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