米国雇用統計はやはり「無風」で通過。

特に波乱も混乱もありませんでした。

ただ、今日の相場は「ギリシャ後」への期待があっても、

一応、危機の行く末がどうなるか見極める人も多いでしょう。

最近ではドイツを中心に「もうギリシャは出ていけ」という声が上がり、

「そのほうがユーロは安定する」と達観する人も増えていますから、

国民投票が改革案を拒否しても、さほど大きな混乱にならないよう、

着々と準備が進みつつあることも確かなようです。

もっとも、「泥棒にも三分の理」というように、

ギリシャの言い分にもちょっとだけ理があるのは、

世界トップクラスの経済強国であるドイツと、

潜在力は途上国なみしかないギリシャが同じ通貨を使えば、

「国際金融トリレンマ理論」など持ち出すまでもなく、

圧倒的にドイツに有利でギリシャに不利なことくらい、

素人がちょっと考えてもわかるということです。

ギリシャ側の言い分は、

「そもそも不公平なんだから助けてくれよ」というものですが、

これまでドイツが「おいしい」思いをしてきたことも否定できません。

日本がこれだけ無茶苦茶な黒田バズーカを2発もやって、

通貨が円安に振れたおかげで経済が一息ついたわけですが、

ドイツは、ユーロ圏内の劣等生のおかげで、

常時、経済力に不相応に安い通貨で貿易ができるわけです。

歴史的な遺恨を超えて「結婚」したはずのフランスでさえも、

知識人は「EUは実質的に新ドイツ帝国だ」と反発し始めています。

今回の騒動で、「問題児」であるギリシャを追い出したいという、

ドイツの辟易とした「本音?」もわからないではありませんが、

「ユーロ圏」と「ひとつの欧州」という「夢」もしくは「システム」は、

「新ドイツ帝国」を構成する「外堀」と「内堀」です。

その意味で、「近い将来起こり得る」とされてきた、

「ギリシャのユーロ離脱」と「英国のEU離脱」だけは、

「ドイツ民族1000年の繁栄」のために絶対阻止すべきはずでしたが、

今回のギリシャ・チプラス政権のトリッキーな挑発と駆け引きに、

さしものドイツ人もちょっと感情的になっているのが気になります。

「冷静、沈着、合理的」の見本のようだとされるドイツ人はしかし、

いったん感情のバランスを崩すと極端な行動をとるとされます。

それも、「冷静、沈着、合理的」に破滅的な行為をやると言われます。

その点、年じゅう感情を爆発させてはいますが、

その場で反射的に発散してオシマイになるラテン系とよく対比されます。

5日の国民投票の結果次第では、堪忍袋の緒を切らしたドイツが、

ギリシャをユーロから追放することも十分にあり得ますが、

ギリシャ人の挑発に乗って、70年間隠忍自重して積み重ねたものを、

あっさり壊すことになれば、いつか、より大きな危機の種になります。

前号のメルマガには書きましたが、「次の危機」の発火点は、

やはり欧州ではないかとされており、しかもそれは近いとされます。

(あるいは中国かもしれませんが、こちらは国内政局がらみ。

そして、その次あたりが日本発の巨大危機ではないでしょうか)

今回のギリシャ危機を乗り越えたから将来は安全になるのではなく、

むしろ、近未来の大きな災いの種が蒔かれたのではないかと、

私としては密かに危惧していますが、この話はいずれまたメルマガで。

・・・と、今週は投資家の目が欧州に向かっていましたが、

日本国内のほうも刻一刻と状況が変わり、動いています。

いい話題としては成長戦略が功を奏し、

私が指摘した●●改革に関する分野を中心に好反応を示しています。

(次号メルマガでちょっと詳しく検証します)

ただ、悪い話題としては、政権がにっちもさっちもいかなくなり、

悪くすれば今月中にも立ち往生する恐れが出てきました。

これを打開するために、「あっと驚く」奇策も取り沙汰されていますが、

つまりはそれだけ政権側が追い詰められているということです。

先日、議員会館で大大大先輩のアナリスト(報道関係)をお見かけし、

はっとするという一幕がありました。

その方は「俺がここにいるということはあれだよ」とにやりと笑い、

「政局が近いんじゃないか」と私に示唆してくださいました。

その後、その場を通りがかったベテラン議員がその方に慇懃にお辞儀し、

通り過ぎてから、とても嫌な様子で顔をしかめたのが印象的でした。

「安倍政権は強い」

「支持率があるから大丈夫」

「なにしろ、対抗馬がいない」と、

世間はまだまだ油断していますが、本当の危機はそういう時に進むものです。

いずれにせよ、この7月は安倍政権にとって正念場です。

さて、いったい何が起きようとしているのか?

詳しくはまた、次号メルマガ(第63号:7月5日発行)で。

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