日本国債の格下げも何のその。

昨日の朝は安く始まった日経平均は、大引けにかけてほぼ一直線に上昇しました。

与党の勝利は確実。政府は買い支える。10兆円ものお金もバラ撒かれる。

・・・これだけあれば、当面、売る理由がありません。

第一次安倍政権の最高値1万8261円(2007年7月9日)が視野に入っています。

ただ、タブロイド紙の見出しが、昨日からガラリと雰囲気を変えたのが気になります。

先週末まで、「野党大逆転」を報じていた「小沢教」の日●ゲ●ダイまでが、

「与党圧勝」のムードをさんざん煽りはじめたのです。

実のところ、「プロ」はこういう「潮目」を注視しています。

記事そのものはほとんど読まなくても、中吊り広告やスポーツ紙や見出しは、

端的に「世間の空気」を反映した何かをあらわしていますから必ずチェックします。

あらゆる情勢分析をみても「与党勝利」は揺らぎませんが、

しかし、国民全員がそれを信じ、さらに与党の候補者たちがそれで驕れば、

思わぬことでつまづきが出て、選挙戦全体が崩れていくことがしばしばあります。

政治の世界に生きる者としては、ここまで危なげなく与党優勢が続くと、

何か「揺り戻し」が起きそうな予感がしてしまいます。

ま、職業病からくる「杞憂」であろうとは思いますが・・・。

もっとも、現時点では与党が負ける要素はまだ見いだせません。

今回の選挙は「与党が強い」のではなく、「野党が弱い」のです。

ただでさえ弱い野党が、賞味期限切れの候補者に、「員数合わせ」で公認を出し、

風はおろかカネも人もないなかで、野党同士で潰しあっています。

野党側の最大の失敗は、統一戦線を組め(ま)なかったことにありますが、

よりによって、安倍総理の設定した土俵で、「経済政策」を争っています。

かつてこれで失敗した民主と、やったことのない維新にとっては「弱点」です。

奇襲攻撃をかけられたうえに、「弱点」で応戦しても負けるだけです。

本当に反撃する気があるなら、いったん攻撃をかわして、

別のイシュウで逆奇襲攻撃をかけるべきでしょう。

残念なことに、海江田、橋下、江田氏の3人とも、そのことに気づいていません。

(共産、次世代が堂々と別のイシュウで勝負しているのと対照的です)

しかし、いつどんなふうに流れが変わるかわかったものではありません。

古今東西、「与党絶対優勢」と報じられた後、些細なことがきっかけとなり、

大きな雪崩が起きるように、大勢が変化するのが選挙というものです。

選挙戦はあと11日。投票日が終了するその日まで、何が起きるかわかりません。

そんなわけで、

「ある日突然、暗転して大崩れ」、「天国から地獄」

ということを嫌というほど経験した私としては、

「与党勝利」に連動するこの株高に乗るのは、やはり怖いです。

ことに、「日本国の真の主権者・財務省」の動きが気がかりです。

実のところ、安倍自民党にはいくつか致命的なポイントがありますので、

次号メルマガ(33号:12月7日)で詳しく述べます。

与党勝利を確信して買いポジションを維持される方もおられるでしょうが、

この株価位置ではいつでも急落のリスクがあることを、くれぐれもお忘れなく。

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