たかが「10%減」。されど「10%減」。空気がまるで変わりました。
日経平均はようやく大暴落からの「半値戻し」ラインまできました。
ただし、メルマガ読者の方はご存じのとおり、
15500円というのは、「本来なら、このあたりにいるべき」という水準です。
そこまでようやく戻ってきただけの話であり、それ以上でも、以下でもありません。
問題は、ここからどうやって上値をとっていくかです。
今週はFOMCがあって、5年続いた米国QEが完全終了する見込みです。
またも、イエレン議長のマジックが見事にはまって、
何の混乱もなく業績相場に移行することを、心から祈ってはおりますが、
物事というのは、全部が全部うまくいくものではありません。
ただでさえ、歴史的な金融政策の転換点にいて皆が神経質になっているところ、
欧州経済は重篤の疑いがあり、中国経済には崩壊の兆しがあり、
中東では世界を巻き込む大戦争が、アフリカでは人類を終わらせかねない疫病。
これだけ不安要因が目白押しのなかで、
日経平均が15500円という「高値」まで回復してきたことが、私には不思議です。
とりわけ、日本市場の足元に、巨大な攪乱要因が発火中です。
例のスキャンダル・ドミノです。
先週の一週間は、たいした材料もないのに、先物主導でガンガン上げましたが、
永田町を流れる緊迫した空気とのコントラストは奇妙なものがありました。
2閣僚の同時辞任で、安倍政権の支持率は10%減。
たかが10%減。されど10%減。空気がまるで変わりました。
自民党支持率も5%近く減りましたが、これが何を意味するかは、
前号メルマガ(27号:10月26日発行)で詳しく解説しました。
もう一押し、二押しで、「地獄の蓋」が姿をあらわします。
安倍政権にとって、当面のヤマ場は今週から来週にかけてです。
今週、急遽開かれる予定の、予算委員会での集中審議でボロが出たり、
週刊誌がもうひとつ、ふたつ、決定的なスクープを出せば安倍政権はアウト。
アベノミクスが終わります。
私はスキャンダルで安倍政権が瓦解する可能性は1~3割くらいだとみていますが、
これはけっこう高い可能性ですし、しかも、明日起きてもおかしくないのです。
いずれにせよ、こうした環境では、安心でも、安全でも、堅実でもありませんので、
私は今回の上昇局面には、一切、お付き合いしておりません。
FOMCによるQE終了後の動向を見届けると同時に、
安倍政権が今国会をうまくしのげるかどうかを確認しないことには、
「何があってもおかしくない」というアラートを解除できません。
その意味では、やはり、11月の見極めがすべてです。
「相場は生き物」です。
もし、シナリオ・ライターがシナリオを書いてテレビ局にもって行けば、
「こんなありえない展開ばかり書くな!」と怒られるくらいありえないことが、
しょっちゅう、あたりまえに、連続して起きるのが実際の相場のシナリオです。
「そういうものだ」ということを肝に銘じて、警戒しすぎるくらい警戒して、
ちょうどいいのだと私は考えています。
生き残らないことには、富を殖やすもクソもないのですから。
つまんなくても、おもしろくなくても、私はそれでいいのです。
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