メジャーSQ中日の昨日、後場から強烈な仕掛けがありました。

上への仕掛けです。

寄り付きからしばらく、15600円台と安く低迷した日経平均ですが、

午前中いっぱいかけてじりじりと下値を切り上げつつ何度も15700円にトライ。

15680円台で停滞したときには、再下落もあり得るやに見えましたが、

後場の始まりとともに3回目のトライで15700円突破に成功すると、

その後、一気に上げ幅を拡大して15800円直前で大引け。

ナイトセッションではさらに買い仕掛けが加速し、一挙に15900円付近まで上昇しました。

典型的なメジャーSQがらみの仕掛けです。

「SQ中日は下に荒れる」というのが大方の予想であり、

一昨日の値動きを見る限り、私もそうなる可能性が高いとは思っていましたが、

だからこそ、その裏をかいてきたわけです。

「この株価水準では買ってこない」と思われた年金資金が投入されたとの噂もあり、

その「まさか!」がパニック的に広がって皆が買いに転じたともされています。

まさに、「駆け引き」で動くメジャーSQです。

多くのファンドや投資家が踏み上げを食らっていると聞いていますが、

やはり、十分な高値圏に入るまで「売り」は危険です

逆に、高値圏に入ってしまえば「必ず」どこかで下げます。

一時的に強引に上げたものは、必ずどこかで調整しますから、そこがチャンスです。

明日にかけて、「まさか」のオプション16000円を狙ってくることもあり得ますから、

そうなると、その後しばらく足踏みするでしょう。

まさに、前号のメルマガ(第20号:9月7日発行)で書いた戦略です。

(もし、今日、エントリーするのであれば「調整待ち」になりますから、

9月物は避けたほうがよさそうですね)

ところで。

昨日の記事について、誤解があるといけないので補足致します。

「円安=株高」の「アベトレード終焉」についての懸念を書きましたが、

いずれどこかの段階で、「円安=株安」の要因になるのは間違いありません。

極端な話、「一気に」1ドル200円だとか300円だとかの円安になれば、

国民生活はがたがたになり、株安どころか、社会不安、政権転覆につながります。

そこまで行かなくても、2000年代になって日本企業の生産拠点は海外移転を続けており、

民主党時代の狂乱円高のもとでほぼそれが終了しましたので、

円安メリットを享受できるキャパシティは限られています。

しかし現時点で、「円安=株安」に直結するかどうかの判断はまだ早計です。

昨日も断りを入れたとおり、もともと、SQ週の値動きは「異常」ですので、

今週の出来事をもとに「これからは円安だから株安だ」と判断することはできず、

来週以降もまだ、「円安=株高」の「アベ・トレード」が継続する可能性はあります。

ただし、

変化の兆候はすでに出ています。

現在、為替は1ドル107円近辺ですが、まだ16000円はクリアできていません。

昨年末は1ドル105円前半で日経平均16300円くらい行きましたが、

NYなどの外部要因の不安を差し引いても、為替と株価のリンクは弱まっています。

実際、早くから、経済界から「95~105円が望ましい」という意見が出ていますし、

110円を超えてくると「デメリットのほうが大きくなる」という分析をよく耳にします。

無論、どのポイントからそうなるかは、「マーケットの反応次第」ですから、

私達としては、慎重に市場の動きを見極めるほかはありませんが、

現時点では「107円になったら17000円」のような能天気なアナリスト予想のとおりには、

実際問題としてなっていないことは頭に入れておいたほうがよいでしょう。

もうひとつ、すでに顕著な変化が出始めていることがあります。

「二極化」です。

まあ、社会常識に属する話ですので、あえて説明するまでもないとは思いますが、

輸出関連銘柄などは上がり、小売り業などは苦しくなりますから、

円安のメリットを享受できる銘柄は上がり、そうでない銘柄は下がり初めています。

例えば、私が2月の暴落局面で買った「基盤的国策銘柄」のうち、

輸出メーカーであるA社は当時の買値より2割も上昇しています。

しかし、金融、不動産といった銘柄はどれも当時と比べてパッとしません。

(円安で値下がりする銘柄は、ひとつも買っていません)

2月の暴落からの回復局面では、どの株も同じように上昇していたことと比較すると、

為替の影響が株価に及ぼす影響が、銘柄ごとにまちまちになりつつあるのがわかります。

私の場合は、「異常な暴落からの回復局面」だけを固くとっていく戦略ですので、

同じ銘柄を長期間にわたって保有することはなく、したがって為替の影響よりも、

強引で無理な「空売り」などの仕掛けによる「不自然な下落」を重視して買いますが、

もし、読者のなかで、数年にわたる長期投資目的で優良銘柄を買う方がおられれば、

「円安デメリット」の銘柄を避けるということも考慮してもいいかもしれません。

今後、日米の政策金利の差が顕著になれば、長期で大きな円安が進行する可能性はあります。

(FXのスワップ狙いみたいな人々がまた増えるかもしれませんね)

私も、今後の暴落局面で「基盤的国策銘柄」を出動させるときには若干、

為替の影響も考慮に入れて現時点のリストからどれを買うか考えます。

いずれにせよ、「相場のことは相場に聞け」です。

ノーベル経済学賞をとった学者でも、プロのファンドマネージャーでも、

ひとつの経済現象が、どんな株価形成につながるかを完璧に言い当てることは不可能です。

相場は常に予測不能ですし、特にSQ週の値動きがどうなるかは誰にもわかりません。

しかし、異常な動きをした後には、必ずそれを正常化させる作用が働くものです。

淡々と、冷静に、相場が異常値をつけるのを待ち、

「勝てる時」だけ勝負していけば、派手さはなくても資金は着実に殖えていきます。

とにもかくにも「負けない」ことにこだわって、SQ通過を迎えてまいりたいと思います。

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