(午前3時の更新です)

昨日の日経平均は大幅安。

為替の方も1ドル105円割れ寸前まで、

じりじりと「円高」が進行しており、

日本政府・日銀には胃が痛い日となりました。

これ以上の「円高」が危険水域であり、

経済と株価に与える悪影響は甚大ですが、

少なくとも日本側には有効な対抗手段が乏しく、

日本政府・日銀が頭を抱え込んでいる様子は、

前号メルマガ(第277号:8月11日)で述べた通りです。

ところが。

先ほど、米中の閣僚級が電話会談をし、

米国USTRが突如として「譲歩」を示して、

制裁関税「第4弾」の一部の実施を延期を、

その声明のなかで発表しました。

お盆に飛び込んだポジティブ・サプライズです。

これを受けて世界的にも緊張がやや緩和し、

NYダウは大幅上昇をして歓迎しており、

為替の方も一気に1ドル106円台まで、

巻き返す展開となっています。

悪材料も好材料もいつも突然に飛び出し、

米国の一挙手一投足に振り回され、

市場が右往左往する展開が続きますが、

少なくとも今回は良い材料だといえます。

このポジティブ・サプライズを受けて、

板が薄くなるお盆の閑散相場に、

「円高・株安」を試すつもりだった筋が、

これを断念せざるを得ない可能性があり、

今日の日経平均は昨日の下げ分くらいは、

一気に戻していく可能性はあると思われます。

日本政府・日銀の人々にとっては、

干天の慈雨のようなサプライズともいえ、

「お盆のフラッシュ・クラッシュ」については、

ほっとひと安心といえる状況かと思われます。

これを受けて中国側がどう「譲歩」するか、

特に米国農産物の輸入がなされるかどうかに、

今後の大きな注目点といえますが、

明確に「貿易戦争」の強度が低下するならば、

日経平均は本来あるべき株価位置を目指し、

巻き返しをする可能性はあると思われます。

もっとも。

中国国内の政治状況が熾烈であることは、

前号メルマガなどでも指摘した通りです。

激化する香港情勢とその対処なども含め、

明確に相場環境を好転させるほどの、

融和的な態度をとれるかどうかは、

よく見極めていきたいところです。

「日米協議」の結果も気になりますし、

英国、欧州、中東などでも危機が続き、

日経平均の上値を抑え続けており、

それらは依然として「異次元の脅威」として、

燻り続けていることも無視できないところです。

これらについてもクリアーになるまでは、

能天気な上昇は期待しづらいと思われます。

米国発のポジティブ・サプライズを受けて、

これで相場環境が根本的に好転するかどうかは、

上記の様々な新しい要因を加味してみた上で、

次号メルマガ(第278号:8月18日)のなかで、

あらためて詳しく分析する予定です。

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