昨日の日経平均は急反発。

「米中協議」で「第1弾」の「部分合意」を、

米中双方の閣僚が肯定的に認めたことで、

「2万3千円ライン」を超えて始まりましたが、

さらに想定外の「ポジティブ・サプライズ」が、

日本市場にも良い方向に衝撃を与えました。

米国が対中関税を一部撤回する可能性があり、

ファーウェイへの規制も緩和が検討される等、

驚くような観測が報道されるに至って、

日経平均は例の水準を一気に超えて、

買い上がる動きが発生したものです。

あくまで「条件付き」の構想のようですし、

これまでのトランプ大統領らの言動や、

米国の上下両院を支配する空気とは、

「真逆」ともいえる大きな方針転換ですが、

もし、「米中対決」が融和に向かうならば、

世界経済の大きな悩みの種が消滅して、

一時的にでも「潮目」が変わり、急回復し、

相場の雰囲気は全く異なる可能性もあります。

昨日はショック的に買われた感がありますが、

一連の報道を打ち消す言動が出ることはなく、

今日以降も市場参加者が増え続けるかどうか、

「潮目」の転換を占うひとつの要素として、

よく注目しておきたいものです。

もっとも。

本当に「米中対決」が融和に向かうならば、

トランプ政権発足後、最大級ともいえる、

巨大な「ポジティブ・サプライズ」ですが、

この流れに乗って買うのであれば、

客観情勢的にどこまでの関係改善が可能かは、

よく見極めつつ行っていきたいところです。

先にも書いた通り、こうした対中融和策は、

これまで米国の政権・議会が示してきたのと、

全く「真逆」の内容であるのは間違いなく、

政権側が株価重視で「譲歩」することが、

米国内にどんな波紋を投げかけるかは、

一応、考えておくべきことと思われます。

大きすぎる「譲歩」というのは、

米国側にも大きなリスクなのであり、

これが政治的な混乱をもたらすようなら、

市場のほうにもやがて大きく影響します。

また、日本国内でも安倍政権が今、

政局的な「正念場」を迎えつつあるなか、

得意とする「外交戦」においても、

思わぬ波乱が発生していることは、

日経平均が今後、上値を追う上で、

少なからぬ障害になり得るものです。

不安要因を抱えつつ上昇していけば、

いずれ「暗転」するのは間違いなく、

「買い」にしても、「売り待ち」にしても、

そのタイミングをよく見極めていくことが、

何よりも大切になってくると思われます。

11月になっても「想定外」に状況が変化し、

相場は振り回され続けていますので、

次号メルマガ(第290号:11月10日)で、

何が変化し、何が燻り続けているかを、

よく整理して今後の展望を分析する予定です。

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