世界が英国に振り回される。
昨日の日経平均は大幅続伸。
朝一番に飛び込んだ英国とEUの双方が、
修正案で合意したとの報を材料にして、
市場全体が素直に反応した結果、
サプライズ的な上昇を記録しました。
昨日朝のエントリーで申し上げた通り、
全くもって「材料次第」の相場です。
合意された修正案の中身を確認しても、
本質的な前進とは思えない内容でしたが、
「ない」とされた譲歩を一定程度は得て、
ギリギリで英国議会の採決に間に合いました。
日経平均もこれにつられて上げたわけですが、
先週の下落からのリバウンド幅としても、
まずまずといって良い上昇となりましたし、
終値でも21500円を超えたことも、
心理的な安心をもたらす材料といえます。
しかしながら。
まだまだ「材料次第」の相場は続きます。
土壇場で合意された修正案をその直後に、
英国議会はやっぱり否決してしまいました。
前号メルマガ(第255号:3月10日)では、
この問題の展望を大きく分析していますが、
今後、英国議会では離脱日時そのものを、
延期することを問う採決がされますし、
延期幅によってはEU離脱そのものが、
撤回される流れもあり得るところですので、
まだ最悪の事態を回避する希望はあるものの、
いずれにせよ本来の離脱日時まで、
あと2週間あまりしか時間がない状況です。
また最悪の事態を回避したからといって、
それは危機の「先送り」でしかなく、
別の混乱が起きるシナリオも濃厚です。
いずれにせよ土壇場の攻防が続きます。
英国議会もEU首脳陣も整然として動き、
危機の「先送り」に成功するかどうかは、
その時が来るまでなんともわかりません。
ずっと以前から歯車は噛み合ってませんが、
ここから先、ひとつでも歯車が狂えば、
待ったなしに「合意なき離脱」をするという、
極めてスリリングな土壇場に追い込まれ、
相場のほうはこれから出てくる材料に、
良くも悪くも振り回されそうです。
振り回される世界中が迷惑していますが、
当事者たる英国の人々も先行きが読めず、
日々、頭を抱え込んでいる状況ですので、
ここから先は何が飛び出しても対処すべく、
私達も明鏡止水で相場を見つめたいところです。
こうして英国発の大騒動を見極めますが、
今月の下旬までには「米中協議」についても、
大きな材料が出てくるのは必至ですので、
そうしたことも織り込みつつ、
次号メルマガ(第256号:3月17日)のなかで、
春以降の相場展望を分析する予定です。
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